0.5秒の「神走塁」=上林、審判もうなる妙技―プロ野球・中日

誰もが「えっ?」と目を疑った。中日の上林誠知外野手(29)が、1日の巨人戦(バンテリンドームナゴヤ)で見せた神懸かり的な走塁に対してだ。完全にアウトのタイミングなのに、判定はセーフ。三塁手の捕球から約0.5秒の間に、何が起きたのか。
1―1の七回無死二塁。上林は代走で塁上にいた。村松の送りバントにスタートを切ったが、打球が強い。すぐさま三塁へ送球する投手が見えた。間に合わない。「あの短い時間で思考をグルグル回した」。どう滑り込むか、腹を決めた。
足ではなく、頭から仕掛けた。先に伸ばしたのは右手。ここに三塁手が照準を合わせた瞬間、すぐ後ろに引いた。空を切るグラブを横目に、今度は左手を突き出す。「とっさだった。練習したことはあるけど、実践したのは初めて」。水をかくような動きで三塁を陥れた。
目線をぶらさず動きを追った水口拓弥三塁塁審は、迷いなく両手を左右に広げた。「タッチをかわした」という確信は、巨人のリクエストによるリプレー検証中も揺るがない。一方で「判定の難しいすごいプレーだった」。審判泣かせの妙技とも言えた。
上林はその後のスクイズで勝ち越しのホームを踏んだ。「神走塁」の極意を問われると、冗談めかして「頭がいいんじゃないかな」。パンチ力とスピードが魅力ながら故障に泣かされ、ソフトバンクから移籍して2年目。明るく前向きな躍動感は、低迷から巻き返しを狙うチームに好ましい。
[時事通信社]
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