戻らない運動実施率=「巣ごもり」影響か

日本人の運動実施率は減少傾向にある。笹川スポーツ財団はこのたび、全国の成人を対象にした2年に1度の調査結果を公表。2024年は散歩なども含む年1回以上の実施率が69.8%にとどまり、06年の調査以来となる6割台に下がった。調査を担当した水野陽介氏は「このまま下がるのかどうかは、今がターニングポイント」と危機感を募らせる。
今回の調査は、新型コロナが感染症法上で季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げられた23年5月以降初めて行われた。年1回以上の実施率は10年に76%まで上がったが、その後は徐々に減少。水野氏は「社会生活が元に戻り、どうしても仕事や学校に時間を取られてスポーツに時間を割けなくなっている」と推察。コロナ禍で巣ごもり需要が高まり、動画視聴やゲームなど自宅で快適に過ごす人が増えた影響も指摘する。
ただ、一部では継続的な取り組みにより実施率が上がった地域もある。例えば島根県雲南市と神奈川県藤沢市。ともに住民と行政が一丸となって情報共有や教育の機会を増やす地道な取り組みが奏功し、5年ほどでスポーツをする人が増えた。
両市のプロジェクトに関わった東大大学院の鎌田真光准教授は、「スマホだけでいろいろなことが完結する現在は、SNSにかける時間が増えている。私の視点では、日本はスポーツや健康の政策が十分にできていない」と警鐘を鳴らす。
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◇年1回以上の種目別運動実施率
実施種目 実施率
(1)散 歩 30.1%
(2)ウオーキング 27.5%
(3)体 操 17.3%
(4)筋トレ 16.0%
(5)ジョギング 7.7%
(6)ゴルフ 6.9%
(7)ゴルフの練習 6.8%
(8)ボウリング 6.3%
(9)サイクリング 6.2%
(9)釣 り 6.2%
(2024年6~7月、笹川スポーツ財団調べ)
[時事通信社]
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