「国民の勝利」罷免に歓喜=公邸前の支持者はぼうぜん・ソウル
【ソウル時事】「国民の勝利だ」。韓国の尹錫悦大統領の罷免決定が4日午前、言い渡されると、ソウルの憲法裁判所近くで開かれていた弾劾賛成集会の参加者は一斉に歓声を上げた。一方、弾劾反対を訴え、尹氏が暮らす公邸前に集まった支持者はぼうぜんとした様子で静まり返った。
宣告が始まると、賛成派の市民らは生中継を映し出す大型モニターをじっと見詰めた。「大統領尹錫悦を罷免する」。宣告が下されると、隣の人と抱き合ったり、拳を突き上げたりして喜びを分かち合った。
30代の労務士の男性は「民主主義を取り戻す現場に居られてよかった」と感激した様子。「二度とこのようなことがないよう、戒厳法や憲法を改正しなければならない」と訴えた。50代の自営業女性は「尹錫悦という人間は大統領としてだけでなく、人としても失格だ」と切り捨てた。
聯合ニュースによると、憲法裁近くでは、罷免決定に激憤した男性が警察のバスを破壊し、拘束された。大統領公邸前の集会は宣告終了後も続き、登壇者は「認めることはできない」と声を荒らげた。
警察はこの日、全国の警官全員を動員できる最高レベルの警備態勢を取り、全国で2万人以上の機動隊員を投入した。うち1万4000人以上をソウルに配置し、とりわけ憲法裁付近では厳戒態勢を敷いた。
憲法裁から半径約150メートルでは道路にゲートを設置し、出入りを規制。最寄りの安国駅は閉鎖され、周辺の学校は休校措置が取られた。観光客に人気の旧王宮、景福宮なども休館となった。
[時事通信社]
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