2025-04-04 00:07

自民・萩生田氏ら処分満了=「裏金」議員、石破首相と距離

 自民党派閥の裏金事件を巡り、旧安倍派の萩生田光一元政調会長らの処分期間が3日に満了した。今後、復権に向けて活動を本格化させる見通しだ。多くは石破茂首相と距離を置いており、低空飛行が続く政権の波乱要因となる可能性もある。
 萩生田氏は同日、コメントを発表。改めて裏金事件を陳謝した上で「反省を胸に刻み、信頼回復に全力を尽くす。初心に立ち返り、日本の発展と国民生活の向上に誠心誠意取り組む」と記した。
 同党は昨年4月に処分を決定。旧安倍派では、下村博文元政調会長と西村康稔元経済産業相が党員資格停止1年、萩生田氏と松野博一前官房長官が党役職停止1年などとなった。
 それでも世論の厳しい批判は収まらず、首相は昨年10月の前回衆院選で処分対象者の一部を非公認とし、下村氏は落選。当選した萩生田氏らも衆院政治倫理審査会での弁明を強いられ、「はらわたは煮えくり返っている」(閣僚経験者)という。
 ただ、いずれも表立った首相批判は控えている。党内では、世論の逆風を招いた旧安倍派に対する反発が根強いためだ。閣僚の一人は「元はといえば自分たちの責任だ」と突き放した。 
 党執行部は「石破降ろし」の動きに旧安倍派がまとまって加わることを警戒。懐柔を図る動きも見せる。
 森山裕幹事長は2月、萩生田氏と会食し、党運営への協力を要請。松山政司参院幹事長は1日の記者会見で「処分期間が終わったら、党や政府のポストで汗をかいてもらうべきだ」と述べた。

 

 ◇処分満了議員の一覧
【党員資格の停止1年】
下村博文 (衆院東京11区=落選、476万円)
西村康稔 (衆院兵庫9区、100万円)
【党の役職停止1年】
武田良太 (衆院福岡11区=落選、1926万円)
松野博一 (衆院千葉3区、1051万円)
萩生田光一(衆院東京24区、2728万円)
林 幹雄 (衆院千葉10区=不出馬、1608万円)
平沢勝栄 (衆院東京17区、1817万円)
三ツ林裕巳(衆院埼玉13区=落選、2954万円)
堀井 学 (衆院比例北海道=不出馬、2196万円)
橋本聖子 (参院比例、2057万円)
山谷えり子(参院比例、2403万円)
(注)敬称略。丸かっこ内は選挙区と政治資金収支報告書の不記載額
[時事通信社]

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