2025-03-27 18:46

生活保護減額は「違法」=処分取り消し、二審で5件目―東京高裁

 生活保護基準額の引き下げ処分は生存権を保障した憲法などに違反するとして、東京都内の生活保護受給者ら27人が国と自治体に処分取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決が27日、東京高裁であった。三角比呂裁判長は、一審東京地裁判決と同様、引き下げを「裁量権を逸脱、乱用するもので違法」と判断した。
 全国29地裁で31件起こされた同種訴訟の高裁判決は9件目で、処分取り消しは5件目。国への賠償請求は一審に続き認めなかった。
 判決によると、国は2013~15年、食費などの生活扶助基準を引き下げ、削減額は計約670億円に上った。
 三角裁判長は、物価下落の「デフレ調整」を巡る厚生労働相の判断について、「統計などとの合理的な関連性を欠き、専門的知見との整合性もない」と指摘。引き下げても健康で文化的な生活水準を維持できるとしたのは誤りで、処分は違法だと結論付けた。
 同種訴訟では、先行する2件について最高裁の弁論期日が指定されており、記者会見した宇都宮健児・弁護団長は「最高裁の判断に向け、原告側の追い風になった」と話した。 
[時事通信社]

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