高校生審判、堂々と=世界で活躍目指して―サッカー

国立競技場の芝の感触は、忘れ難いものだったに違いない。ともに17歳の酒井星南さんと橋元海吏さんが、2月8日に行われたU18(18歳以下)Jリーグ選抜―日本高校選抜で副審を務めた。16回目を迎えたこの試合で、高校生が審判団に入ったのは初めてだった。
試合中の振る舞いは堂々としていた。ファウルやオフサイドなどを冷静に判定。2級審判の資格を持つ酒井さんは「試合前は(会場の)国立競技場の雰囲気に圧倒されたが、始まるといつも通りのパフォーマンスを出せたと思う」。現地で見た日本サッカー協会(JFA)審判マネジャーで元国際審判の名木利幸さんは「ゲームに集中できていた。緊張感を持ってチャレンジしていた」と評価した。
日本サッカー界は近年、審判の早期育成に力を入れており、今回の試みもその一環だった。高速化するサッカーに合わせ、世界では審判が若年化。しかし、日本では多くの審判が別の本業を持つことがネックとなっている。市区町村の試合で笛を吹くことができる4級の資格を取得してから、J1の試合を担当できる1級になるまで約10年。国際審判になるには、さらに年月を要するのが現状だ。
ワールドカップ(W杯)での日本人主審は、2014年ブラジル大会当時に42歳だった西村雄一さんまでさかのぼる。西村さんと共に副審を務めた名木さんは、高校選抜の活動に同年代の審判を同行させるなど、JFAの取り組みを説明。「(酒井さんと橋元さんは)実績を残してチャンスをつかんだ。全国の同世代の審判員にも刺激になる」と語る。
プロの審判を目指す酒井さんと橋元さんは、そろって「W杯などの国際舞台で笛を吹きたい」と青写真を描く。今回の経験は、国際審判を目指していく道で生きるはずだ。
[時事通信社]


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