ミャンマー犯罪拠点移転の動き=中国系組織、カンボジアへ―政界と癒着か、壊滅は不透明
【ポイペト(カンボジア北西部)時事】タイと国境を接するミャンマー東部に特殊詐欺の拠点を設けている中国系犯罪組織が、タイ政府や地元の少数民族武装勢力の圧力を受けてカンボジアに拠点を移転させている。カンボジア当局は摘発を強化するなどして対応しているが、組織を壊滅に追い込めるかどうかは不透明だ。
タイ当局は2月1日、ミャンマー東部ミャワディに隣接するタイ北西部ターク県で不審な車から携帯電話1251台とパソコン19台などを押収。運転手のタイ人の男(45)の供述から、積み荷はカンボジア北西部ポイペトと接するタイ東部サケオ県に輸送される予定だと分かった。
ポイペトもカジノに加えて特殊詐欺の拠点があるとされる地域で、タイ警察は、犯罪組織が摘発を逃れるためミャンマーからの移転を計画していたとみている。ミャワディでは、誘拐された中国人俳優が1月に救出されて以降、電力の供給停止などタイ政府の圧力を受けた武装勢力が対策に乗り出していた。
タイ警察と連携したカンボジア警察も2月、ポイペトの3階建ての建物を捜索。特殊詐欺に従事していたタイ人やインド人ら215人から詳しい事情を聴いている。タイのペートンタン首相は同月27日、国会で「犯罪組織の取り締まりをやめない」と強調した。
ただ国連によると、カンボジアにはポイペト以外にも複数の犯罪拠点がある。政府・政界と犯罪組織の癒着も指摘されており、米政府は昨年9月、特殊詐欺に関与したとして、カンボジアの上院議員でフン・セン前首相の顧問の企業家リー・ヨン・パット氏を制裁対象に指定した。
タイと周辺国の国境地帯の情勢に詳しいタマサート大客員研究員の水上祐二氏は「東南アジアの中国系犯罪組織は地域の権力者らと密接な関係を築いている。各国当局が本気で壊滅する気があるかは慎重に見極める必要がある」と指摘した。
[時事通信社]
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