ASEANで存在感狙う=石破首相、経済・安保で連携強化

【クアラルンプール時事】石破茂首相は9日(日本時間同)、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国のマレーシアを訪れた。インドネシアも訪問し、経済成長が見込まれるASEANとの関係強化を目指す。東・南シナ海で覇権主義的な動きを強める中国を念頭に安全保障分野でも連携を進め、日本の存在感を高める狙いがある。
出発に先立ち、首相は記者団に「不確実性を増す国際社会にあって、東南アジアとの関係を今まで以上に大事にしたい」と強調。「この地域でどのような安全保障の枠組みをつくっていけるか。信頼関係の醸成が極めて大事だ」と語った。
マレーシアは今年のASEAN議長国で、インドネシアは20カ国・地域(G20)のメンバーでもある大国。首相が国際会議の出席以外で外国を訪れるのは就任後初めて。第2次安倍、菅、岸田各政権も国際会議を除いた初の訪問先にASEANを選んでいた。
首相は10日にマレーシアのアンワル首相と会談する。同国は南シナ海で中国と領有権を争っており、「法の支配」が重要だとの認識を共有したい考え。同志国軍を支援する「政府安全保障能力強化支援(OSA)」などを通じ、海洋安保分野での協力をさらに進める方針だ。
ただ、マレーシア、インドネシアはともに「全方位外交」を掲げ、経済面を中心に中国との結び付きも重視している。インドネシアは今月、中国やロシアなどで構成する新興国グループ「BRICS」に加盟。マレーシアも加入の意向を表明している。
外務省幹部は「この地域との関係は国益に直結する」と指摘。首相は今回の訪問で、安保や経済などの協力を通じて関係強化を図れるかどうかが焦点となる。
日本政府は、20日に就任する米国のトランプ次期大統領の動向を注視する。第1次トランプ政権時は、ASEAN関連の首脳会議を欠席するなど東南アジア外交を軽視。この間に中国がASEAN諸国への外交攻勢を強めたからだ。
東南アジアはもともと米中とバランスを取り、中立を志向してきた。今後米中対立の激化が予想される中、政府関係者は「日本のASEANへの関与を示し、お互いの利益を実現する環境をつくるいいタイミングだ」と強調した。
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