維新代表、再び大阪知事に=国会・参院選、指導力が課題
日本維新の会の新代表に吉村洋文・大阪府知事(49)が選ばれた。2代前の松井一郎氏以来となる府知事兼党首として「2人分働く」と決意を表明。党運営や来年夏の参院選を巡り指導力を発揮できるかが問われる。党勢の立て直しや、本拠地・大阪以外への支持拡大が喫緊の課題だ。
「自民党とも野党とも距離を保ちながら、公約を実現する」。吉村氏は代表選後の記者会見で、今後の党方針をこう説明した。
維新は10月の衆院選で躍進した国民民主党とは対照的に議席を減らし、国会でも埋没気味だ。代表選の論戦では、敗れた松沢成文参院議員が「『大阪都』構想を失い、何を目指す政党か分からなくなった」と指摘。吉村氏も「存在意義が揺らいでいる」と認めており、党の立ち位置から固め直す必要がある。
「是々非々」を掲げてきた維新は、安倍晋三、菅義偉両政権下で首相官邸と太いパイプを保ち、重要法案の成立に協力。他党から「与党の補完勢力」とやゆされたが、その路線は石破政権と距離を縮める国民民主にお株を奪われつつある。
「全国政党化」は積年の課題だ。先の衆院選小選挙区では大阪の全19区で勝利した他は滋賀、京都、広島、福岡の4議席にとどまり、東日本では全敗。比例代表も約500万票と、前回から約300万票減らした。戦略の練り直しは急務で、吉村氏は会見で、衆院選での積極擁立に疑問を呈し、重点地域を絞る考えを表明した。
参院選に向け、吉村氏は与党過半数割れを優先目標に位置付けており、会見では改選数1の「1人区」で「予備選」による野党候補一本化を改めて提案した。ただ、党内外で「どういうルールで決めるのか」など懐疑的な声が多い。
吉村氏は代表選で大阪を地盤とする唯一の候補だった。「大阪票」に加え、知名度も生かして圧勝した。衆院議員の経験があるとはいえ、在任はわずか10カ月。府知事を兼務した松井元代表は党創設時の幹部として党内に強い影響を及ぼした。吉村氏が松井氏と同様にリーダーシップを示せるかは未知数だ。
[時事通信社]
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