「裏金」「壁」野党追及へ=少数与党、緊迫の国会―2日から代表質問
国会は週明けの2日、石破茂首相の所信表明演説に対する各党代表質問が始まる。首相が掲げる政治改革の「年内決着」や、所得税非課税枠の拡大に向けた「年収103万円の壁」見直しを巡り、野党は具体策などをただす構え。30年ぶりに与党が衆院の過半数を割り込んだことから、緊迫した攻防が予想される。
代表質問は10月の衆院選後初の国会論戦。4日まで衆参両院本会議場で行われる。立憲民主党の野田佳彦代表が先頭を切って登壇し、各党幹部らが続く。
首相は11月29日の所信表明で、衆院選大敗は自民党の派閥裏金事件に対する「国民からの叱責」と認め、年内の政治資金規正法再改正を目指す決意を強調した。ただ、野党各党が「本丸」と位置付ける企業・団体献金禁止については触れずじまい。「覚悟を感じなかった」とする野田氏らは厳しく追及する方針だ。
裏金事件の幕引きを急ぐ自民は、旧安倍派の参院議員27人が政治倫理審査会に出席する意向だと野党に伝えた。2日以降、対象者に公開の是非を確認する文書を送るなど、開催に向けた調整が続く見通し。野党側は「構造的な問題を明らかにしなければいけない」と真相究明を改めて強く迫る姿勢を示しており、論戦と並行して与野党のせめぎ合いも熱を帯びるとみられる。
首相は所信表明で国民民主党の主張に沿い、「年収103万円の壁」見直しを明言した。「政策実現」を掲げて協調路線を歩む国民民主は「しっかり果実を勝ち取っていく」(玉木雄一郎代表)との構えで、首相からさらなる言質を得たい考えだ。社会保険料負担が生じる「106万円の壁」「130万円の壁」についても見直しを求める声が上がる。
この他、トランプ次期米政権との向き合い方など外交・安全保障政策について論戦が交わされる見通し。自民内で慎重論の根強い選択的夫婦別姓も注目のテーマとなる。
5日には衆院、6日には参院で全閣僚が出席する予算委員会が開かれる。石破政権下では初の予算委。衆院では委員長ポストを立民が押さえており、各閣僚の答弁能力が試される。
[時事通信社]
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