「馬場降ろし」、大阪で包囲網=維新、衆院選後に混乱
野党第2党の日本維新の会が混乱している。衆院選で5議席を減らした馬場伸幸代表は続投に意欲をにじませるが、お膝元の大阪の地方議員中心に「馬場降ろし」の動きが加速。代表交代を求める包囲網が急速に狭まっている。
維新が31日、大阪市の党本部で開いた常任役員会は当初1時間を予定していたが、約2時間に及び、早期に代表選を実施する方向となった。馬場氏は記者団から出馬の可能性を問われたのに対し「支えてくれているメンバーと相談して決めたい」と述べるにとどめた。
維新は衆院選で大阪の全19小選挙区で完勝したものの、東日本の小選挙区は全滅。比例代表は約510万票にとどまり、前回2021年から約300万票減らした。目標とした「野党第1党」や「全国政党化」は達成できず、党内では「野党の中で一人負け」(吉村洋文共同代表・大阪府知事)との危機感が広がった。
敗因は自民党派閥の裏金問題を受けた政治資金規正法改正と、前兵庫県知事を巡る迷走とされる。規正法改正では馬場氏が当時の岸田文雄首相と政策活動費の「領収書10年後公開」で合意。パワハラ疑惑の渦中にあった前知事を当初擁護する姿勢を示したことと合わせ、支持率を落とす結果を招いた。
党内では「馬場執行部の対応の誤りだ」「改革イメージを損ねた」と批判する声が多い。
馬場氏の党内基盤の弱さもある。維新は過去、創業者の橋下徹・元大阪市長や大阪の地方議員に強い影響力を持つ松井一郎・前大阪市長らが仕切ってきた。このため、堺市議出身の馬場氏と、中核をなす大阪府議・市議団との折り合いの悪さが取り沙汰されていた。
30日の党会合では、地域政党「大阪維新の会」の設立に関わった重鎮・浅田均参院会長が馬場氏に直接、「大惨敗の責任を取って辞意を表すべきだ」と迫った。その前日、大阪府議団は早期の代表選実施を求める方針を決めていた。党幹部は「浅田氏の発言は大阪府議らと連動している」と指摘した。
[時事通信社]
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