海外館、開幕時未完成の国も?=工事大詰めも進捗に差―大阪・関西万博
2025年4月の大阪・関西万博開幕まで残り半年となる中、遅れが問題となっていた海外パビリオンの建設は大詰めを迎えている。日本国際博覧会協会は各国と個別に調整するなどして開幕に間に合わせたい考えだが、進捗(しんちょく)状況は国によりばらつきも。全ての準備が完了しない国が複数出てくる可能性も指摘されている。
特有の文化や最先端技術を紹介する海外パビリオンには、161の参加国・地域が出展する。このうち、デザイン性の高い外観から「万博の華」と呼ばれる自前建設の「タイプA」は、当初60カ国が希望していたが、資材価格や人件費の高騰で業者との交渉が難航。最終的に47カ国となり、今月10日時点で45カ国が着工にこぎ着けた。
政府はタイプAの47カ国と、日本側が建物を設け外装や内装を自国で行う5カ国を合わせ、52カ国が独自パビリオンになるとしている。
パビリオン整備に関し、協会は大型重機が入る外観工事の完了の目安を「10月中旬」と設定。会場内の歩道の舗装や街路樹の設置などを進めるためだが、想定通りには進んでいないのが実情で、関係者によると半数の国は間に合わない見通しだ。このため、会場全体の整備と外観工事が両立できるよう、大型重機が通る時間とルートを調整する方針で、全体の整備計画への影響は「最小限に抑える」(協会幹部)。
それでも、複数の関係者によると、開幕時点で内装工事や展示の設置を含めた準備が完了しない国もあると見込まれる。政府高官は「『外装だけは必ず開幕までに終わらせて』とお願いしている」と明かす。今後は運営面の準備が本格化し、工事関係者以外の出入りも増加する。「事故など問題が起きなければいいが」(協会幹部)と不安視する向きもある。
[時事通信社]
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