斎藤氏の資質、問われる知事選=告発対応は問題ないと主張―兵庫県
兵庫県議会から不信任を突き付けられた斎藤元彦知事が、自身の失職と出直し知事選への出馬を選択したことで、来る選挙では斎藤氏の資質が問われそうだ。職員(7月に死亡)が文書で告発した斎藤氏のパワハラ疑惑などに加え、この職員を公益通報の保護対象とせず処分した県の対応に関し、斎藤氏は問題ないと主張。こうした一連の経緯に対し、県民が審判を下す機会となる。
斎藤氏は、告発文書でパワハラが指摘された。部下への指導について「必要な範囲内」で行ったとの見解を繰り返し、パワハラには当たらないと説明。職員の告発を公益通報に当たると認めず、処分したことも「瑕疵(かし)はない」と訴えた。
これに対し、県議会は調査特別委員会(百条委員会)の審議を通じ、斎藤氏の対応に問題があったとの見方を強めてきた。19日の本会議では、86人の全議員の総意として不信任を可決。決議文では、百条委で道義的責任を問われた斎藤氏が「分からない」と発言したことを挙げ、「資質を欠いていると言わざるを得ない」と断じた。
ただ、百条委の調査はまだ途中であり、実際にパワハラがあったのか、公益通報者保護法に違反するのかなどは結論が出ていない。知事選では、この段階での不信任が妥当かどうかもポイントの一つとなりそうだ。
今回は斎藤氏の資質が問われているものの、知事と県議会は政策面で対立しているわけではない。そこで、斎藤氏は不信任を受けた後、テレビに出演するなどして、行財政改革を進めてきた実績をアピール。知事選を見据えたとも受け取れる動きを強めてきた。ただ、県議会の全議員が不信任賛成に回った中、政治的に孤立を深めており、再選に向けた道筋は不透明だ。
[時事通信社]
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