米補佐官が中国外相と会談=対話維持へ8年ぶり訪中
【北京時事】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が27日、中国・北京を訪問し、王毅共産党政治局員兼外相と会談した。国家安保担当の大統領補佐官が単独で訪中するのは、オバマ政権下の2016年以来で約8年ぶり。29日までの滞在中、習近平国家主席とも会う可能性がある。
中国外務省によると、王氏はサリバン氏の初訪中を「歓迎する」と述べ、「戦略的意思疎通を通じ、安定した関係発展を進めたい」と語った。サリバン氏は「バイデン大統領は、米中関係を責任を持って管理し、競争が衝突に変わる事態を回避することに努めている」と応じた。
両氏は28日以降も会談し、米中対話の維持を再確認するほか、台湾や南シナ海、通商問題などを協議する見通し。昨年11月以来となるバイデン、習両氏の会談に向けた調整も行われるもようだ。
中国外務省の北米担当者は25日の談話で、サリバン氏の訪問を「重要な動きだ」と評価する一方、習政権が「核心的利益の中の核心」と位置付ける台湾問題に関しては「厳正な立場」を伝えると強調。電気自動車(EV)や半導体を巡る対中制裁関税などについても、改めて抗議する姿勢を示した。
一方のサリバン氏は、台湾海峡や南シナ海で中国が繰り返す威圧的行動や、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの間接的支援に懸念を表明する方針。バイデン氏が11月の大統領選から撤退し、来年の大統領交代が確実となったこの時期、実質的な議論の進展は望みにくく、懸案を巡っては原則論の応酬となる可能性が高い。
[時事通信社]
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