ハマス壊滅まで「戦う」=イランの脅威にらみ団結呼び掛け―イスラエル首相、米議会で演説
【ワシントン時事】イスラエルのネタニヤフ首相は24日、米議会の上下両院合同会議で演説し、パレスチナ自治区ガザで交戦するイスラム組織ハマスの軍事・統治能力を破壊し、拘束された人質全員を取り戻すまで「イスラエルは戦う」と誓った。「完全勝利」を目指す姿勢を改めて強調し、米国からの武器支援を要請した。
ハマスやレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどが後ろ盾とするイランの脅威が高まっているとも強調。「イスラエルと米国は団結しなければならない」と訴えた。
イスラエルとハマスの衝突開始から9カ月以上が経過した。ネタニヤフ氏は演説で、人質解放を巡るハマスとの交渉妥結に向け「集中的に努力している」と説明。一方で、ハマスの降伏と非武装化、人質全員の引き渡しが実現しない限り戦闘を続けると断言した。
また、バイデン米政権が民間人犠牲者拡大の懸念から、弾薬のイスラエル輸送を一部停止していることを念頭に「迅速な軍事支援が戦闘終結を劇的に早める」と主張。ガザ政策を巡って米イスラエル両政府の溝が指摘される中、武器支援を求めた。
ガザの戦後構想にも言及。非武装化と過激思想の排除が「私のビジョンだ」と語り、当面はイスラエルが治安を管理する考えを示した。その上で「(イスラエルと敵対しない)パレスチナ人によって(ガザは)統治されるべきだ」とも述べ、民生部門への関与を否定した。
中東地域に関しては、ハマスなど代理勢力を支援するイランに対抗するための「安全保障同盟」をイスラエルと米国で創設できると主張。アラブ諸国も参加する構想を披露した。
米メディアによれば、60人を超える民主党系議員が演説を欠席。パレスチナ問題を巡り米政界が分断している現状を示した。
ネタニヤフ氏の米議会演説は4回目。再選を断念したバイデン大統領への謝意を表するとともに、11月の米大統領選で返り咲きを狙うトランプ前大統領についても「(在任中に)イスラエルのために行った全てに感謝する」と持ち上げた。
[時事通信社]
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