「恒久停戦」の要求取り下げか=ハマス幹部が譲歩姿勢―ガザ交渉
【カイロ時事】パレスチナ自治区ガザでイスラエルと交戦するイスラム組織ハマスの幹部は7日、「ハマスは従前、完全かつ恒久的な停戦への同意をイスラエルに求めてきた」と述べた上で、今後は「完全な停戦」がなくてもイスラエルと人質解放で交渉する用意があると語った。AFP通信の取材に答えた。ハマスがこれまで大前提としてきた恒久停戦の要求を取り下げ、停戦に向けた間接交渉が進展する可能性が出てきた。
停戦交渉を巡り、ハマスは先週、停戦案への修正回答を発表。米高官は「合意成立の土台を与える可能性がある」と評価していた。ハマス幹部は仲介国が「交渉が続く限り、停戦は継続される」と保証したと述べており、これが態度軟化につながったもようだ。
ただ、イスラエルは「(ハマスとの間に)依然溝がある」との立場で、首相府は7日、「いかなる合意でも、戦争の目的を達成するまでイスラエルは戦闘を再開できる」と宣言。ハマスの要求する停戦には簡単には応じない姿勢をにじませた。
こうした中、米政府などは停戦実現への仲介外交を活発化させている。ロイター通信によれば、米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が10日にカタールの首都ドーハを訪れ、同国のムハンマド首相のほか、イスラエルとエジプトの情報機関トップと会談する予定。バーンズ氏は今週中にカイロも訪れる。
一方、イスラエルはガザ攻撃の手を緩めておらず、地元当局は6日、中部ヌセイラトにある国連運営の学校をイスラエル軍が空爆し、16人が死亡したと発表。7日にも、北部ガザ市の別の学校が空爆されて4人が死亡した。軍は同日、ガザ市の複数地域の住民に退避勧告を出した。
[時事通信社]
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