ガザ作戦「長期に」=イスラエル軍首脳、楽観論戒め
【カイロ時事】イスラエル軍のハレビ参謀総長は2日、パレスチナ自治区ガザでのイスラム組織ハマスとの戦闘について、「長期にわたる作戦になる。決意と忍耐を持って、われわれの任務を完遂し、相手に勝利する」と語った。ハマスの壊滅が近づいているとの見方も出る中、現場を知る軍首脳として作戦完了には時間を要するとの慎重姿勢を示し、楽観論を戒めた形だ。
AFP通信が報じた。ハレビ氏はまた、「ハマス最後のとりで」と位置付けるガザ最南部ラファでの作戦でこれまでに「900人以上」のテロリストを殺害したと明らかにした。
ネタニヤフ首相は6月下旬、ラファでの作戦に関し、「激しい戦いは終わろうとしている」と言明。イスラエルが作戦を変更する転換点になるとの観測も出ていた。
米紙ニューヨーク・タイムズは、イスラエル治安当局者の話として、ガザに残された人質の解放のためには、たとえ戦争のすべての目的を達成しないとしても、停戦が最良の策だと軍の上層部が考えていると報じた。ネタニヤフ氏は2日、この報道を受けて出した声明で「ニューヨーク・タイムズであれ何であれ、敗北主義の風には屈しない」と述べ、ハマス壊滅と人質解放まで戦争を続けると改めて強調した。
一方、ガザでの戦闘が続く中、民間人を巡る人道危機も深刻化している。AFPによると、国連のカーフ上級人道復興調整官(ガザ担当)は2日、ガザの人口の8割に当たる住民約190万人が避難民となっていると明かした。
ロイター通信によれば、ネタニヤフ氏は今月24日に予定される米議会での演説のため訪米する際、バイデン大統領と会談する見通し。ハマスとの停戦交渉や、米国からの武器供与などが主要議題になるとみられる。
[時事通信社]
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