中国、台湾演習の成果強調=「見事に任務完遂」、頼総統威圧
【北京時事】中国軍が台湾を取り囲んで2日間にわたり実施した大規模軍事演習が24日終了し、中国国営中央テレビは「見事に任務を完遂した」と成果を強調した。台湾統一を目標に掲げる中国は、台湾周辺での軍事活動を継続し、「独立派」と敵視する頼清徳総統への威圧を強める構えだ。
中央テレビによると、軍関係者は今回の演習を「新常態」と位置付け、「台湾独立勢力が挑発するたびに、中国軍は歩を進める」と説明。今回は頼総統が20日の就任演説で「一つの中国」原則の受け入れを拒否したことに反発しており、今後も頼氏が独立の動きを見せるたびに威嚇で応じる見通しだ。
軍関係者はまた、台湾封鎖の訓練が主な目的の一つだったと語った。25日の軍機関紙・解放軍報(電子版)によると、24日に数機の爆撃機が戦闘機に援護されながら台湾東部沖に前進し、艦隊などと連携して「重要目標への模擬攻撃」を実施。海警局の船も東部沖の海域で訓練を行った。
中国軍や海警局が「東部沖」を強調するのは、台湾有事の際に米軍の支援ルートを断ち切るためで、米国をけん制する狙いがある。中央テレビによれば、軍関係者は「台湾独立分子の逃亡を阻止する」ためでもあると威嚇した。台湾侵攻時に頼氏らが亡命する事態を想定した発言とみられる。
5月31日~6月2日にシンガポールでアジア安全保障会議(通称シャングリラ会合)が開かれる。米国防総省によると、これに合わせてオースティン国防長官が中国の董軍国防相と会談する。台湾情勢を巡り火花を散らす展開が予想される。
[時事通信社]
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