「格好良過ぎる俺」=小田、劇的逆転で金―車いすテニス〔パラリンピック〕
劇的な結末で、18歳は主人公に躍り出た。車いすテニス男子シングルス決勝で、小田がヒューエットにマッチポイントを握られながらも大逆転で金メダルを獲得。「やばい。格好良過ぎる俺」。興奮で声を弾ませた。
小田はサービスや強打で積極的に攻めたが、うまく対応され、2セット目以降は相手に流れが傾いた。「負けるかな、と(頭を)よぎった瞬間は多かった」。最終セット、3―5で迎えた第9ゲームで、先にマッチポイントを握られた。だが相手のドロップショットがわずかにアウトに。「いや、これは俺の舞台だ」。この瞬間、自身の勝利を確信した。
底知れない精神力の強さを持つ。ポイントを取るたびに両手を振って観客をあおり、自らを奮い立たせ、ミスが増え始めた相手を容赦なく攻め立てた。勝利の瞬間、車輪を外し、車いすごとセンターコートで大の字に。大歓声を全身に浴びて涙した。
パラスポーツを取り巻く環境や現状を変えたい―。影響力を持つために金メダルがどうしても必要だった。この種目で史上最年少での快挙。「何かがきっと変わってくれると僕は信じて。僕のプレーを見てテニスを始めてくれる子もいるかもしれない」。懸命に戦った姿は誰かの希望に、憧れになったはずだ。 (時事)
[時事通信社]
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