大規模緩和「役割果たした」=マイナス金利解除を決定―日銀3月会合の主な意見
日銀は28日、マイナス金利政策の解除を決めた今月18、19日の金融政策決定会合での「主な意見」を公表した。今年の春闘で大企業を中心に大幅な賃上げが相次いだことを受け、多くの政策委員が「2%の物価目標が持続的に実現していくことが見通せる状況に至った」などと判断。委員の一人は、大規模金融緩和について「役割を果たした」と強調した。
同会合では、金融政策の変更が妥当だとの意見が相次ぎ、マイナス金利解除と長短金利操作の撤廃、上場投資信託(ETF)の新規買い入れ停止などを賛成多数で決定した。
ある委員は「異次元緩和から普通の緩和に移行することは短期的なショックを起こさずに十分可能だ」と指摘。また、想定を上回る賃上げや最近の株価上昇を背景に「先行きに対する期待が高まっており、日本経済は歴史的な変曲点を迎えている可能性がある」との意見が示された。
一方で、「まだ物価から賃金への好循環が全国レベルで強まっているとは思わない」「政策変更により金融環境が急変した場合、物価目標達成を遅らせる」など、慎重な意見もあった。
会合に出席した内閣府の担当者は、日銀による政策変更の提案に関し「賃金と物価の好循環実現という前向きな動きを踏まえたものであり、その認識は政府も共有できる」と発言。政府からも政策変更に異論は示されなかった。
[時事通信社]
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