トランプ新政権の顔ぶれ
マイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)=2025年4月9日撮影【EPA時事】 トランプ米大統領は1日、マイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)を国連大使に指名すると発表した。軍事作戦の情報を民間の通信アプリのチャットで共有していた問題でウォルツ氏の責任を問う声が強まっており、事実上の更迭とみられる。暫定的にルビオ国務長官が安保担当補佐官を兼務する。 第2次トランプ政権発足後、中枢メンバーの交代は初めて。外交・安全保障政策のかじ取り役が代わることで、今後の米外交路線に変化が生じる可能性もある。 ウォルツ氏は3月、通信アプリ「シグナル」でイエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する軍事作戦を政権幹部と協議するグループチャットを立ち上げた際に、誤って米誌アトランティックのゴールドバーグ編集長を招待した。同誌の報道でずさんな情報管理の実態が発覚し、批判を浴びていた。トランプ氏は2016年の大統領選で、対立候補だったクリントン元国務長官が私用メールを公務に使っていた問題を厳しく追及した経緯がある。 トランプ氏はSNSへの投稿で「ウォルツ氏はわが国の利益を最優先するために努力してきた。新たな役割でも同じことをすると確信している」と強調。ウォルツ氏も「トランプ氏と偉大な祖国への奉仕を続けられることを光栄に思う」と応じた。 陸軍特殊部隊「グリーンベレー」出身のウォルツ氏は、ウクライナとロシアの停戦協議などに関与してきた。ただ、ロシアなどに対する強硬姿勢が、「ディール(取引)」を目指す他のトランプ氏側近とのあつれきを生んでいたとされる。 トランプ氏は国連大使に共和党のステファニク下院議員を指名していたが、3月に取り下げ、候補不在となっていた。就任には上院の承認が必要となる。(2025年05月01日)