【女子ゴルフ】稲見萌寧 (16/42)
東京五輪のプレーオフを制して銀メダルを獲得した稲見萌寧(左)。手前はニュージーランドのコー=埼玉・霞ケ関CC【AFP時事】 ◇ ◇ ◇ 日本ツアーでは3戦3勝。稲見が絶対の自信を持つプレーオフで、銀メダルを獲得した。1ホール目をパーで上がると、コーがパーパットを外して勝負あり。真剣な表情が笑顔に変わり、前回リオデジャネイロ五輪銀メダリストで「すごく好きな選手」のコーと抱き合い、健闘をたたえ合った。 前半で二つ伸ばすと、12番から4連続バーディーを奪った。17番では、約4メートルのバーディーパットを打つ前に雷雲接近で中断。「きっちり取らないと(メダル)圏内は厳しい」。これを沈めて首位に並んだが、18番(パー4)では前日にグリーンをオーバーしたことが頭をよぎり、第2打がグリーン手前のバンカーへ。ボギーをたたき、頂点には届かなかった。 4日間のフェアウエーキープ率85.71%は、全選手でトップ。深いラフを避けながら、正確なショットでチャンスを量産し、パットがかみ合った。キャディーバッグを担いだ奥嶋誠昭コーチは「(グリーンの)ライン読みがすごく難しかった。ジャストタッチで打つことを心掛け、うまくいった」と話した。 五輪の延期が決まる前は、代表争いの「圏外」にいた。今年の日本ツアー開幕から、毎週優勝を目指すという強い気持ちとパットの向上が相まって、逆転で切符を獲得。「出場できたことが、自分の中では奇跡」と厳しい道のりを振り返った。 ゴルフを楽しみながら、日本勢初の表彰台に立った姿は、全国にインパクトを与えたに違いない。「プロになりたいというジュニアの子たちが、どんどん増えてくれるとうれしい」。快挙を成し遂げた22歳は、照れくさそうに言った。(2021年08月07日)