仏産原料で日本酒 ワイン大国に挑戦―山形県のメーカー
【パリ時事】美食の都パリの郊外で昨年秋、米と水、酵母に至るまでフランス産の原材料で醸造した日本酒が誕生した。ワインに親しむフランス人をターゲットに定め、既にパリの高級レストランでの取り扱いも決定。山形県鶴岡市に本社を置く日本酒メーカー「WAKAZE」代表の稲川琢磨さん(32)は「フランスで一番飲まれる日本酒にしたい」と意気込んでいる。
一般的に日本の水は軟水だが、フランスでは硬水が主流。ミネラル分が豊富といい、昨年パリに移住し、酒蔵を立ち上げた稲川さんは「味が濃いフランス料理に負けない、甘味や酸味がはっきりした日本酒ができる」と説明する。
フランスはワイン大国でありながら、国内の消費量は年々減少。一方で、日本食の人気拡大とともに日本酒の輸入額は増加傾向にある。ただ、輸送コストがかさむため、一般的なレストランでもグラス1杯10ユーロ(約1200円)程度。6ユーロ(約700円)前後のワインに比べ割高だ。
フランス産の原料を使うことでコストを抑え、「地元の人に適正価格で楽しんでもらいたい」と稲川さん。輸送過程で発生する二酸化炭素を軽減できるのも「環境保護への意識が高いフランス人へのアピールになる」と期待する。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により、欧州の飲食店との取引は一時中断となったが、オンライン販売は好調という。15日には日本全国の酒店でも一般販売を開始。稲川さんは、苦境にあっても「活路を見いだしていく」と力を込めた。(2020/05/17-07:20)
Japanese Brewer Makes Sake with French Ingredients
A Japanese sake brewer has developed a product made completely with French ingredients, with the aim of popularizing the rice-based beverage in the wine-loving European country.
The company, Wakaze Inc., based in the city of Tsuruoka, Yamagata Prefecture, northeastern Japan, made the sake last autumn using rice, water and yeast made in France. A high-end restaurant in Paris has decided to use it.
"We can make sake with a strong sweetness and sourness, which can have a presence even amid French cuisine with strong flavors," Takuma Inagawa, head of Wakaze, said, attributing the uniqueness to the rich mineral content in France's hard water compared with the soft water in Japan.
Inagawa, 32, moved to Paris last year to set up a sake brewery in a suburb of the French capital.
In France, the volume of wine consumption has been on the decline in recent years. On the other hand, sake imports have been steadily rising in terms of value amid a boom of Japanese cuisine.
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