彬子さま、涙こらえ=百合子さまとお別れ―斂葬の儀
15日に101歳で亡くなられた三笠宮妃百合子さまの本葬「斂葬(れんそう)の儀」は26日、厳かに行われた。喪主で孫の彬子さまは涙をこらえて参列。会場の豊島岡墓地(東京都文京区)は深い悲しみに包まれた。多くの人が墓地や沿道で、激動の時代を生きた百合子さまとの別れを惜しんだ。
百合子さまのひつぎを乗せた霊車は午前9時に赤坂御用地(港区)内の三笠宮邸をゆっくりと出発。皇居の大手門前では、車列が通り過ぎた際、宮内庁職員らが深く一礼した。
霊車は午前9時35分ごろ、同墓地に到着。雅楽の葬送曲が奏でられる中、霊車は墓地内をゆっくりと進み、顔を黒いベールで覆った彬子さまに続き、皇族代表の高円宮妃久子さま、親族らが後ろを歩き、ひつぎが葬場に安置された。
告別式に当たる「葬場の儀」は午前10時すぎに始まり、司祭長の坊城俊在氏が、古代オリエント史の研究者だった夫の故三笠宮さまを支え、母子愛育会総裁として医療福祉に功績を残すなどした百合子さまの生涯を朗読。彬子さまは頭を深く下げたまま聞いていた。
天皇、皇后両陛下と上皇ご夫妻のそれぞれの使者に続き、彬子さまをはじめ皇族方が百合子さまのひつぎに拝礼。ゆかりの人らも続き、喪主として見届けた彬子さまは目頭をハンカチで押さえていた。
午後1時半ごろ、霊車が墓地から火葬場に出発する際には、宮内庁職員らが頭を下げて見送った。その後、祭壇には昨年の百寿(100歳)に当たって撮影された百合子さまの遺影が飾られた。
[時事通信社]
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