2020.04.18 07:29Nation

方針急転換に課題山積　財源確保に赤字国債―１０万円給付

　政府は新型コロナウイルス感染拡大を受けた緊急経済対策をめぐり、減収世帯への３０万円支給を取り下げ、国民１人当たり１０万円を給付する方針に急転換した。与党内の要望に応えた形だが、２０２０年度補正予算案の大幅な組み替えや赤字国債発行など追加財源の手当てが必要。給付手続きなどをめぐっても課題が山積している。
　麻生太郎財務相は１７日の持ち回り閣議後の記者会見で、５月中にも支給を開始するとの方向性を明らかにした。麻生氏は、首相だった０９年に実施した定額給付金の評価が低かったことから、一律の現金給付には否定的な考えを示していた。同日の会見では「前回は手を挙げない人にも配ったが、今回は手を挙げる方に（配る）」と述べ、当時との違いを強調した。
　ただ、実際は市町村から届いた書類に各家庭の代表者が記入し、申請する方法が有力。「基本的な仕組みは前回と変わらない」（自民党中堅議員）との指摘もある。安倍晋三首相は１７日の会見で、「申請手続きの簡素化で、できるかぎり早く渡せるようにしたい」と述べたものの、具体策は今後詰めることになる。
　一方、現金給付の対象などが変更されたことで、２０年度補正予算案で８兆円超の新たな財源が必要となる。麻生氏は他の対策費を削って賄うことは「とてもできない」と指摘。赤字国債の追加発行で費用を確保することになりそうだ。
　富裕層も対象に含まれる一律給付には批判が予想される。高所得者は、年末調整や確定申告などで後から調整することを求める声もあるが、高所得者の線引きなど「手間暇がかかる」（麻生財務相）ため現実的には難しい。財務省幹部は「本当に困っている人への支援を手厚くするという当初の趣旨は完全に覆った」と話す。（2020/04/18-07:29）

英文版に切り替え

2020.04.18 07:29Nation

Japan Govt to Seek Applications for Cash Handouts: Aso

Twitter

Facebook

LINE

Japanese Finance Minister Taro Aso suggested Friday that people who want to receive 100,000 yen under a proposed cash handout program will need to apply for it.
   "The government is set to provide 100,000 yen per person to those who raise their hands," Aso told a press conference.
   Aso has shown a negative stance toward a uniform cash handout, after a similar benefit program launched in 2009, when he was prime minister, was unpopular.
   He said that under the 2009 program, the government distributed cash to everyone, including those who did not raise their hands. This time, however, cash will be provided to those who apply for it, he said.
   Aso's approach drew opposition from members of the ruling Liberal Democratic Party.

Switch to Japanese