2024.09.06 17:32World eye
夫に薬盛られ72人にレイプされた女性、事件発覚で「人生救われた」
【アビニョンAFP=時事】鎮静剤で妻の意識を失わせ、インターネットで募った男数十人にレイプさせたとして起訴されたフランス人ドミニク・ペリコ被告の裁判で5日、被害に遭った妻のジゼル・ペリコさん(71)が証言し、警察の捜査で犯罪が明らかになったことで「人生が救われた」と語った。(写真は、仏アビニョンの裁判所で証言した後、報道陣の取材に応じるジゼル・ペリコさん〈中央〉)
本件では、主犯のドミニク被告を含め51人が、ジゼルさんをレイプした罪に問われている。警察は、計92回のレイプが行われ、72人の男が関与したことを確認。うち計51人の身元を特定した。年齢は26~74歳とされる。
フランス南部アビニョンで2日に公判が始まってから、初めて証言台に立ったジゼルさんはドミニク被告を姓だけで呼び、「警察がペリコ氏のパソコンを調べてくれたおかげで、私の人生が救われた」と述べた。
ジゼルさんは娘と2人の息子が見守る中、約90分間にわたって証言。5人の判事を前に感情をあらわにし、不可解な体調不良や、運命を決した警察の事情聴取について語った。
ジゼルさんは長年にわたり奇妙な物忘れなどの健康問題に悩まされ、アルツハイマー病かもしれないと思っていたという。
2020年11月に捜査官に呼び出され、ドミニク被告が画策し撮影していた約10年にわたる性的虐待の映像を見せられた時には、自らの世界が崩壊したと語った。「私にとってのすべてが崩れ去った。50年間築き上げてきたすべてが」
ジゼルさんは事情聴取で、50年間連れ添ってきたドミニク被告は「素晴らしい人物」だと話した。だが、「自分が全く動かずベッドに横たわり、レイプされている」という「残酷な」写真を見せられた。
「正直に言って、私にとっては恐ろしい光景だった」「彼らは私をラグドール(ぬいぐるみ人形)のように扱っていた」。ジゼルさんは、今年5月になってようやく映像を見る勇気を振り絞ることができたという。
ジゼルさんはまた、加害者たちは「匿名の電話をするだけで、私の人生を救うことができたかもしれなかった」にもかかわらず、誰も通報しなかったと述べた。
ジゼルさんの証言の間、ドミニク被告はうなだれたままだった。
一部の被告の弁護人は4日、夫婦が放蕩(ほうとう)な関係にあった可能性や、ジゼルさんが10年間に及んだ性的虐待に全く気付かなかったということ自体に疑問を呈した。
これに対しジゼルさんは「セックスとして扱わないでほしい。これらはレイプだ」と反論。夫婦交換(スワッピング)やフリーセックスは一度もしたことがないと強調した。
■「すべての女性のために証言」
ジゼルさんはロジェ・アラタ裁判長の質問に対し、「(ドミニク被告と)共謀したことも」「寝たふりをしたことも」一度もないと改めて述べた。
ジゼルさんは裁判を公開で行うことで、事件の全容を明らかにするよう強く求めてきた。
5日の証言を終えた後、家族は代理人弁護士を通じて、名字を公表しても構わないと表明した。
ジゼルさんは、悪意を持って薬物を投与して服従させる「ケミカルサブミッション」による性犯罪の危険性に注意を喚起したいと述べた。
「私は知らないうちに薬を盛られたすべての女性のために話している」「自分の人生の主導権を取り戻し、ケミカルサブミッションを非難する。多くの女性は証拠を持っていないが、私には自分の身に起きたことの証拠がある」
ジゼルさんはドミニク被告に対しては「少なくとも人生で一度くらいは、自分の行動に責任を持ちなさい」「嫌悪感を覚える」と非難した。
さらに「私は人生の10年を失った」として、心の中は「一面の廃虚」のようだと述べた。
ジゼルさんは、ドミニク被告との離婚手続きを進めている。
■「虐待」フォルダ
ドミニク被告は、起訴事実を認めている。事件発覚のきっかけは、同被告がショッピングセンターで女性のスカートの中を盗撮しているところを警備員に取り押さえられたことだった。
主任捜査官によれば、ドミニク被告は自身の行動をハードディスクの「虐待」フォルダに正確に記録していた。
レイプは約200回行われたが、ほとんどはドミニク被告によるもので、ネットで募った男によるものは90回超だったとされる。
レイプは2011年7月~2020年10月、主にアビニョンから33キロほど離れた人口6000人の村マザンにある夫婦の自宅で行われた。
ジゼルさんによると、自身をレイプした男のうち顔見知りは一人だけで、その男はドミニク被告とサイクリングの話をするために自宅に来たことがあるという。
「時々ベーカリーで会うとあいさつしていた。私をレイプしに来るような人だとは思っていなかった」とジゼルさんは語った。
被告のほとんどは有罪となった場合、加重レイプ罪で20年以下の禁錮刑を科される。
被告51人のうち、ドミニク被告を含む18人は勾留されているが、32人は在宅起訴されている。
1人は今も逃亡中で、欠席裁判となっている。12月20日に結審予定。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2024/09/06-17:32)
本件では、主犯のドミニク被告を含め51人が、ジゼルさんをレイプした罪に問われている。警察は、計92回のレイプが行われ、72人の男が関与したことを確認。うち計51人の身元を特定した。年齢は26~74歳とされる。
フランス南部アビニョンで2日に公判が始まってから、初めて証言台に立ったジゼルさんはドミニク被告を姓だけで呼び、「警察がペリコ氏のパソコンを調べてくれたおかげで、私の人生が救われた」と述べた。
ジゼルさんは娘と2人の息子が見守る中、約90分間にわたって証言。5人の判事を前に感情をあらわにし、不可解な体調不良や、運命を決した警察の事情聴取について語った。
ジゼルさんは長年にわたり奇妙な物忘れなどの健康問題に悩まされ、アルツハイマー病かもしれないと思っていたという。
2020年11月に捜査官に呼び出され、ドミニク被告が画策し撮影していた約10年にわたる性的虐待の映像を見せられた時には、自らの世界が崩壊したと語った。「私にとってのすべてが崩れ去った。50年間築き上げてきたすべてが」
ジゼルさんは事情聴取で、50年間連れ添ってきたドミニク被告は「素晴らしい人物」だと話した。だが、「自分が全く動かずベッドに横たわり、レイプされている」という「残酷な」写真を見せられた。
「正直に言って、私にとっては恐ろしい光景だった」「彼らは私をラグドール(ぬいぐるみ人形)のように扱っていた」。ジゼルさんは、今年5月になってようやく映像を見る勇気を振り絞ることができたという。
ジゼルさんはまた、加害者たちは「匿名の電話をするだけで、私の人生を救うことができたかもしれなかった」にもかかわらず、誰も通報しなかったと述べた。
ジゼルさんの証言の間、ドミニク被告はうなだれたままだった。
一部の被告の弁護人は4日、夫婦が放蕩(ほうとう)な関係にあった可能性や、ジゼルさんが10年間に及んだ性的虐待に全く気付かなかったということ自体に疑問を呈した。
これに対しジゼルさんは「セックスとして扱わないでほしい。これらはレイプだ」と反論。夫婦交換(スワッピング)やフリーセックスは一度もしたことがないと強調した。
■「すべての女性のために証言」
ジゼルさんはロジェ・アラタ裁判長の質問に対し、「(ドミニク被告と)共謀したことも」「寝たふりをしたことも」一度もないと改めて述べた。
ジゼルさんは裁判を公開で行うことで、事件の全容を明らかにするよう強く求めてきた。
5日の証言を終えた後、家族は代理人弁護士を通じて、名字を公表しても構わないと表明した。
ジゼルさんは、悪意を持って薬物を投与して服従させる「ケミカルサブミッション」による性犯罪の危険性に注意を喚起したいと述べた。
「私は知らないうちに薬を盛られたすべての女性のために話している」「自分の人生の主導権を取り戻し、ケミカルサブミッションを非難する。多くの女性は証拠を持っていないが、私には自分の身に起きたことの証拠がある」
ジゼルさんはドミニク被告に対しては「少なくとも人生で一度くらいは、自分の行動に責任を持ちなさい」「嫌悪感を覚える」と非難した。
さらに「私は人生の10年を失った」として、心の中は「一面の廃虚」のようだと述べた。
ジゼルさんは、ドミニク被告との離婚手続きを進めている。
■「虐待」フォルダ
ドミニク被告は、起訴事実を認めている。事件発覚のきっかけは、同被告がショッピングセンターで女性のスカートの中を盗撮しているところを警備員に取り押さえられたことだった。
主任捜査官によれば、ドミニク被告は自身の行動をハードディスクの「虐待」フォルダに正確に記録していた。
レイプは約200回行われたが、ほとんどはドミニク被告によるもので、ネットで募った男によるものは90回超だったとされる。
レイプは2011年7月~2020年10月、主にアビニョンから33キロほど離れた人口6000人の村マザンにある夫婦の自宅で行われた。
ジゼルさんによると、自身をレイプした男のうち顔見知りは一人だけで、その男はドミニク被告とサイクリングの話をするために自宅に来たことがあるという。
「時々ベーカリーで会うとあいさつしていた。私をレイプしに来るような人だとは思っていなかった」とジゼルさんは語った。
被告のほとんどは有罪となった場合、加重レイプ罪で20年以下の禁錮刑を科される。
被告51人のうち、ドミニク被告を含む18人は勾留されているが、32人は在宅起訴されている。
1人は今も逃亡中で、欠席裁判となっている。12月20日に結審予定。【翻訳編集AFPBBNews】
〔AFP=時事〕(2024/09/06-17:32)
2024.09.06 17:32World eye
French woman says uncovering of mass rape trauma 'saved her life'
A French woman whose husband has admitted to enlisting dozens of strangers to rape her while she was drugged told his trial on Thursday that police had saved her life by uncovering the crimes.
The police saved my life by investigating Mister Pelicot's computer, Gisele Pelicot told the court in the southern city of Avignon, referring to her husband -- one of 51 of her alleged abusers on trial -- by only his last name.
Speaking for the first time since the extraordinary trial began on Monday, Gisele Pelicot, now 71, revealed her emotion in almost 90 minutes of testimony, recounting her mysterious health problems and a fateful meeting with police.
For years, she said, she had had strange memory lapses and other health problems and thought she might have had Alzheimer's.
In November 2020, she was invited to speak to investigators, who showed her the images of a decade of sexual abuse orchestrated and filmed by her husband and her world fell apart, she said in court.
For me, everything is falling apart. Everything I have built up over 50 years, Gisele Pelicot said.
She had told police that Dominique Pelicot, her husband of 50 years, was a super guy, she recounted as her daughter and two sons watched the testimony.
At that meeting, the woman was shown barbaric pictures where I'm lying motionless on the bed, being raped, she remembered as her husband listened with his head bowed.
Frankly, these are scenes of horror for me, she said.
They treat me like a rag doll, she told five judges, adding she had only plucked up the courage to watch the video footage in May.
She said that none of her abusers alerted the police.
Even an anonymous phone call could have saved my life, the woman said as her husband kept his head down.
Lawyers for some of the defendants had questioned on Wednesday whether the couple had had a libertine relationship, or whether it was credible that Pelicot had noticed nothing for the entire decade of the abuse.
Don't talk to me about sex scenes. These are rape scenes, she said on Thursday, emphasising that she had never practised swinging or any other form of libertine sex.
- 'Speaking for every woman' -
Gisele Pelicot reiterated that she was never complicit and had never pretended to be asleep when asked by lead judge Roger Arata.
She has insisted that the trial take place in public so the full facts of the case can emerge.
After she gave her testimony on Thursday, her family said via their lawyer that their full surname could be published.
Gisele Pelicot said she wanted to draw attention to the dangers of sexual crimes through so-called chemical submission, or drugging someone with malicious intent.
I'm speaking for every woman who's been drugged without knowing it, she said.
I'm taking back control of my life, to denounce chemical submission. Many women don't have the proof. I have the proof of what I've been through, she said.
She also told the accused to for once in your lives at least, take responsibility for your actions.
I feel disgusted, she added.
I've lost ten years of my life, she said, adding that inside she was a field of ruins.
Pelicot is in the process of divorcing her husband, who has admitted to the charges against him.
He was exposed by chance when he was caught filming up women's skirts in a supermarket.
- Folder labelled 'abuse' -
The 71-year-old father of three documented his actions with meticulous precision on a hard drive in a folder labelled abuse, lead investigator Jeremie Bosse Platiere has said, adding this led police to track down 50 suspects beside the husband.
The investigators counted around 200 instances of rape, most of them by her husband and more than 90 by strangers.
Pelicot said she had recognised only one of her alleged rapists, a man who had come to discuss cycling with her husband at their home.
I saw him now and then in the bakery, I would say hello, I never thought he'd come and raped me, she said.
The assaults took place between July 2011 and October 2020, mainly in the couple's home in Mazan, a village of 6,000 people in the southern region of Provence.
Most of the suspects face up to 20 years in jail for aggravated rape if convicted.
Eighteen of the 51 accused are in custody, including Dominique Pelicot. Thirty-two other defendants are attending the trial as free men.
The last suspect, still at large, is being tried in absentia, with hearings expected to last four months until December 20.
siu-ol-sjw-tgb-as/ah/giv
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