茂木氏「令和の光秀」ジレンマ　総裁選出馬、判断時期探る―自民

　９月に想定される自民党総裁選を巡り、茂木敏充幹事長がジレンマに直面している。党のナンバー２として岸田文雄首相（自民総裁）を支える立場にありながら、対抗馬として名乗りを上げれば「裏切り者」のそしりは免れない。その一方で、出馬の道を残すためには去就を曖昧にせざるを得ず、苦しい対応が目立っている。
　「私が最初に手を挙げることはない」。茂木氏は２３日の記者会見で、総裁選の対応についてこう強調。ただ、出馬の可能性そのものは否定しなかった。最終的な判断時期については、２２日の講演で「８月から９月上旬ぐらいだろう」と述べた。
　総裁選に意欲をにじませつつも、明確な物言いを避けるのは、対応次第で「令和の明智光秀」と批判を受ける可能性があるためだ。
　２０１２年の自民総裁選では、石原伸晃幹事長（当時）が執行部の立場で出馬。谷垣禎一総裁（同）は続投断念に追い込まれた。その振る舞いが、党内で「平成の明智光秀」（麻生太郎元首相）などと反発を生み、石原氏は大失速。決選投票にも残れず敗れた。
　かねて「光秀にはならない」と語る茂木氏の胸中について、茂木派ベテランは「１２年総裁選のことは誰でも覚えている。首相の対応を見定めるのだろう」と解説。判断時期をなお模索しているとの見方を示す。
　茂木氏は同時に、「仲間の議員、支援者の期待は感じている」などと出馬を匂わせる発言も繰り返すが、逆効果となっている面も否定できない。
　岸田派の松山政司参院幹事長は２３日の会見で「（幹事長として）果たすべき役割を全うするのが通常ではないか」とけん制。首相周辺は「『政治とカネ』の問題で矢面に立ち、泥をかぶってくれれば評価も上がる」と自重を促した。
　「支える立場で何を発信しているのか。まさに令和の光秀だ」。麻生派中堅は、茂木氏による一連の発言を酷評。政府関係者は「謀反はばれないようにやるものだ」と皮肉った。（2024/07/24-07:03）

Toshimitsu Motegi, secretary-general of Japan's ruling Liberal Democratic Party, faces a dilemma over whether to throw his hat into the ring for the party's leadership election expected in September.
   Motegi would be unable to escape criticism that he is a traitor if he decides to run in the race although he, as the party's No. 2 official, is tasked with supporting its president, Prime Minister Fumio Kishida, sources said.
   Meanwhile, Motegi wants to leave open the possibility of a candidacy, forcing him to equivocate when asked about his plans.
   "I will not be the first to declare a candidacy," Motegi told a press conference Tuesday, asked about the LDP presidential race, while not explicitly ruling out a possible run. In a speech Monday, he said that a final decision on the matter will likely be made "between August and early September."
   Motegi is refraining from making clear statements despite showing interest in the race, because he hopes to avoid criticism that he is the modern version of Akechi Mitsuhide, a Japanese feudal-era figure known for betraying warlord Oda Nobunaga.