長崎ＩＲ計画を不認定　資金調達の根拠不十分―政府

　政府は２７日、長崎県が昨年４月に申請したカジノを含む統合型リゾート（ＩＲ）の整備計画について、認定しないことを決めた。計画を審査する有識者委員会は理由について、「資金調達の確実性を裏付ける根拠が十分だとは言い難い」などと説明。これにより、ＩＲの実現に向けて手続きが進むのは大阪府・市による計画のみとなる。
　長崎県の計画に関し有識者委員会は、出資予定者が申請時から大きく変更されたことや、出資予定者の一部が資金提供の確約を示す資料を提出していないことを指摘。出資予定者にＩＲの設置・運営に関する十分な実績を持つ企業が含まれていないことや、投資会社からの出資割合が高いため、ギャンブル依存症対策より利益が優先される恐れがあることへの懸念も示した。
　ＩＲ実施法では、認定地域の上限を３カ所と定めている。政府が２０２１年１０月～２２年４月に申請を受け付けたところ、大阪と長崎の２カ所が計画を提出。大阪の計画は、今年４月に認定を受けたが、長崎は継続審査となっていた。政府が再びＩＲの実施地域を募る場合、長崎も改めて申請できるが、現時点で再募集の時期は未定となっている。
　長崎の計画では、年間約６７０万人の来訪を想定しており、初期投資額は４３８３億円を見込んでいた。建設予定地はテーマパーク「ハウステンボス」隣接地（佐世保市）で、２７年秋ごろの開業を目指していた。
　計画が認定されなかったことを受け、長崎県の大石賢吾知事は２７日、県庁内で記者団に「極めて遺憾に思っている」と述べた上で、今後について「何も決まっていない」と語った。
　大阪府は９月、事業会社と実施協定を締結しており、３０年秋ごろのＩＲ開業に向けて建設工事を進める予定だ。（2023/12/27-18:35）

The Japanese government Wednesday decided not to approve Nagasaki Prefecture's plan to develop a casino-featuring integrated resort, or IR.
   The expert committee that screened the southwestern prefecture's plan, submitted in April 2022, said it cannot recognize sufficient evidence showing the certainty of the project's funding.
   The decision leaves the plan by the western prefecture of Osaka and its namesake capital city as the only IR project moving forward.
   The panel noted that prospective investors for the Nagasaki plan have been changed significantly since the application was filed and that some prospective investors have not submitted documents pledging to provide funds.
   It also expressed concern that the Nagasaki IR might put profits above measures against gambling addiction, as the list of prospective investors does not include businesses with sufficient track records of establishing and operating such resort facilities and a large proportion of expected investments are from investment companies.