運転禁止解除を正式決定　東電柏崎原発、改善を確認―規制委

　テロ対策の不備が相次ぎ、事実上の運転禁止命令が出ていた東京電力柏崎刈羽原発（新潟県）を巡り、原子力規制委員会は２７日、命令解除を正式決定した。東電に原子力事業者としての適格性があることも改めて確認した。規制委は２年余りにわたる追加検査や東電の小早川智明社長との面談の結果、改善が確認されたと判断した。
　山中伸介委員長は決定後の記者会見で、「慎重の上に慎重を重ねて検査をしてきた」と強調。今後は「東電が常に改善していく姿勢を示しているかを規制委でしっかりと監視していく」と述べた。
　同日夕、取材に応じた小早川社長は「あくまでもスタートラインに戻ったにすぎないことを肝に銘じ、安全性や核物質防護の改善に努めていく」と強調。再稼働の時期については「まず安全対策をしっかり進めることが重要だ。時期の見通しは申し上げる段階ではない」と述べるにとどめた。
　規制委は２０２１年４月、柏崎刈羽原発内での核燃料移動を禁じる是正措置命令を出し、事実上運転を禁じていた。福島第１原発の事故対応や廃炉を進めている東電は今後、柏崎刈羽原発の再稼働に向けた作業を再開する方針だが、地元自治体の同意も必要となるため、具体的な時期は見通せない。
　柏崎刈羽原発６、７号機は１７年、再稼働に必要な規制委の審査に合格した。しかし、１８年以降に不正侵入を検知する設備の故障や社員が同僚のＩＤカードを使って中央制御室に不正に入るなど、テロ対策の不備が相次いで発覚。規制委は是正措置命令を出した上で、２１年１０月から改善状況を確認する追加検査を行っていた。
　規制委は命令解除に当たり、東電の改善措置がおろそかになっていないかや担当職員や経営層が代わっても取り組みが継続できているかなどについて、今後も重点的に検査する方針を確認した。
　２７日に了承された検査報告書では、荒天時に侵入検知装置の誤作動を防ぐ取り組みが継続的に講じられていると評価。社長直轄の組織が新設され、再発防止策の徹底が図られているとして、「改善措置を一過性にしない仕組みも構築され、定着しつつある」と結論付けた。（2023/12/27-18:50）

Japan's Nuclear Regulation Authority on Wednesday officially decided to lift its de facto ban on operations at Tokyo Electric Power Company Holdings Inc.'s Kashiwazaki-Kariwa nuclear power plant, imposed for a series of flaws in the plant's antiterrorism measures.
   The nuclear watchdog also reaffirmed that TEPCO is qualified as a nuclear power plant operator.
   TEPCO's efforts not to make its improvement measures transient "seem to have taken root to a certain extent," NRA Chairman Shinsuke Yamanaka told an NRA meeting on Wednesday. "We will continue to check responses taken by TEPCO through our regular inspections."
   The power company plans to resume work to bring the plant back online, but it is uncertain when it will be reactivated as the operator needs to gain consent from local governments as well.
   In 2017, the No. 6 and No. 7 reactors at the Kashiwazaki-Kariwa plant in Niigata Prefecture, central Japan, passed the NRA's safety screening, necessary for their restart.