所在確認、交換留学中止も　新型肺炎、国内大学も対応追われる

　新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大を受け、国内の大学も中国人留学生の所在確認や、交換留学の中止など対応に追われている。春節（旧正月）で一時帰国した留学生もおり、再入国時には入念な健康観察を求めている。
　約１４００人の中国人留学生がいる立命館大では、感染者が急増している中国・湖北省の武漢出身の留学生２５人に電話やメールで個別に連絡を取った。うち２２人は１カ月以内に日本から出国していなかったが、２人は帰省しており、健康状態などを聞き取った。湖北省からの留学生は他に３５人おり、状況を確認している。
　運営する学校法人立命館は４日、中国から帰国、入国する学生や教職員への注意事項をホームページで公表。留学生にはメールでも伝え、発熱などがあれば必ず空港の検疫所に申告するほか、症状がなくても２週間は健康状態を観察するよう求めた。
　系列の立命館アジア太平洋大は、中国での海外プログラムを原則中止すると決定。２月から交換留学生３人を派遣する予定だったが、取りやめた。同志社大や東京理科大なども中国での研修を中止する。
　徳島大では日本人学生２人が武漢大に交換留学していた。春節で１月初めに帰国し、うち１人は２月中旬に武漢へ戻る予定だったが、授業再開の見通しが立たず、国内で待機しているという。
　「中国から戻ってきたら２週間の自宅待機をお願いしている」と話すのは学習院大の担当者。春節で帰省する中国人留学生には、感染に注意して慎重に判断してほしいとメールで伝えたという。
　中国留学を中断し、帰国を希望する日本人学生も出ている。官民協働で海外留学を支援する「トビタテ！留学ＪＡＰＡＮ」の事務局によると、「中断したいが奨学金はどうなるのか」などの問い合わせが寄せられているという。担当者は「柔軟に対応し、返済は求めないので安心してほしい」と話した。（2020/02/09-07:06）

Japanese universities are scrambling to deal with the threat of its students being infected with the new coronavirus wreaking havoc in China.
   Many schools are monitoring the health condition of Japanese and Chinese students, especially those who have visited China for the Lunar New Year holidays.
   Ritsumeikan University, which hosts some 1,400 students from China, called or emailed 25 students who are from the city of Wuhan, the epicenter of the coronavirus outbreak. According to the school, based in the western Japan city of Kyoto, 22 of the students have not left Japan in the last month, but two are currently in Wuhan.
   The school confirmed the health status of the two in the virus-stricken city. It is also seeking to gain information from 35 other students from Hubei Province, where the city is located.
   The school operator Ritsumeikan Trust published a warning on Tuesday for students and faculty staff members entering Japan from China. It called on those with fever or other symptoms to inform the airport quarantine, and on those without symptoms to monitor their health for two weeks from their arrival.