自動車、和牛の輸出増加 日欧EPA関税下げ―発効1年
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が発効して2月1日で1年になる。相互に関税を引き下げた結果、輸出では自動車や和牛、輸入ではワインが伸びた。国内自動車メーカーなどが恩恵を受け、消費者もより手頃な価格で欧州産品を楽しめるようになった。一方、欧州産との競争激化に直面し、対応に追われる業界もある。
日欧はEPAで、相互に貿易品目の9割超を関税撤廃の対象とし、知的財産権の保護や電子商取引など幅広い分野のルールも整備した。発効により、世界貿易額の4割を占める巨大な自由貿易圏が誕生。政府は日本の実質GDP(国内総生産)を約5兆円(約1%)押し上げる効果があると試算している。
輸出では乗用車への10%の関税が段階的に引き下げられ、発効8年目に撤廃される。牛肉や日本酒の関税は即時撤廃された。財務省の貿易統計によると、2019年2~11月の輸出額は、自動車が前年同期比19%増加。和食ブームを追い風に和牛が28%増、日本酒は5%増となった。
輸入については、関税が撤廃されたワインが12%増加した。750ミリリットルのワイン瓶が1本当たり100円程度安くなったことに加え、販売店の宣伝が奏功した。豚肉やチーズの輸入も増えており、国内業者は厳しい競争環境に立たされている。
EUを離脱する英国とは今春にも貿易交渉を始める。当面は移行期間で、英国は日欧EPAの枠内にとどまる。日英交渉では、自動車関税の撤廃時期などが焦点になりそうだ。(2020/01/30-07:22)
Japan Auto, Beef Exports to EU Rising Year after EPA
Japan's automobile and "wagyu" beef exports to the European Union are increasing thanks to tariff cuts under their economic partnership agreement, which took effect Feb. 1 last year.
The EPA, which created a free trade bloc accounting for 40 pct of the global trade, has also contributed to increases in Japan's imports of European wine, pork and cheese, benefiting Japanese consumers.
Meanwhile, some industries face tougher competition from their European rivals.
Japan and the EU agreed to mutually remove tariffs for over 90 pct of their trade items. The EPA also includes rules affecting a range of fields, including e-commerce and the protection of intellectual property rights.
The Japanese government estimates that the pact will push up the country's real gross domestic product by 5 trillion yen, or about one pct.
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