「おりづるガチャ」で就労支援　障害者が作製、収入増目指す―設置場所が拡大・千葉

　外国人観光客らに人気の「ガチャガチャ」で、障害者が作った折り鶴の入ったカプセル玩具を販売する「おりづるガチャ」が注目を集めている。障害者の就労支援や収入増が目的で、企画した一般社団法人「障害者就労支援ネットワークＰ＆Ｐ」（千葉県柏市）代表理事の奥岳洋子さん（４０）は「重い障害を持ち、厳しい給与環境で働いている人の手助けになれば」と期待する。
　最初の販売機は２０２１年１０月、インバウンド（訪日外国人旅行者）を主なターゲットに、成田空港（同県成田市）に近い商業施設に設置された。カプセルは１個５００円で、マグネット付きの折り鶴のほか、５カ国語で書かれたおみくじや、手書きのメッセージが入ったミニチラシも入れた。
　口コミで評判になり、設置場所は千葉県を中心に京成上野駅（東京都台東区）など７カ所に拡大。多くのインバウンドが見込まれる２５年の大阪・関西万博までに、関西への進出も目指している。
　夫の難病を機に１５年から障害者の就労支援に関わっていた奥岳さんが、重度障害者の厳しい給与環境に気付き、何とかしたいと思ったのがそもそものきっかけだった。さらに新型コロナウイルス禍で、袋詰めした記念グッズなどを納入するイベントが激減。打開策を模索していたとき、「おりづるガチャ」を思い付いた。
　折り鶴は重い障害を持つ人でも取り組みやすいといい、全国の福祉事業所でも幅広く作られていた。コロナ禍の影響で、これからは非対面で買えるガチャガチャが人気になると予測。これまでに約５０００個のカプセルが売れた。自分の名前しか書けなかった知的障害者が、封入するチラシにいろいろなメッセージを書くようにもなったという。
　奥岳さんは「障害者が作っているとは強調せず、品質も妥協していない。取り組みを広げて安定収入につなげたい」と話している。（2022/12/29-20:33）

Vending machines that sell "gacha gacha" capsule toys containing origami cranes folded by people with disabilities are garnering attention in Japan.
   The origami crane gacha gacha project was organized by the Employment Support Network for Persons with Disabilities P&P, based in the city of Kashiwa in Chiba Prefecture, east of Tokyo, with the aim of helping people with disabilities find jobs and boost their income.
   "We are hoping that the project will support people with severe disabilities who are working in a tough wage environment," Yoko Okutake, 40, head of the group, said.
   Mainly targeting foreign visitors to Japan, the group set up the first such gacha gacha machine at a commercial facility near Narita International Airport in the city of Narita, Chiba, in October 2021. Each capsule cost 500 yen and contained an origami crane with a magnet, an "omikuji" fortune slip written in five languages, and a handwritten note.
   The project then became a hit, and the machines are now set up at seven locations, mainly in Chiba. One of the places is Keisei Electric Railway Co.'s Keisei Ueno Station in Tokyo's Taito Ward.