「重大な人権侵害あった」 ハンセン病施設、遺体解剖で報告書―岡山
岡山県瀬戸内市の国立ハンセン病療養所「邑久光明園」で行われていた入所者の遺体解剖について、弁護士らで構成する人権擁護委員会は24日、報告書を公表した。「正当な同意を得ていたと見なすことはできず、重大な人権侵害であった」と結論付けた。
同施設では2020年に、入所者1123人の解剖録が見つかり、約2年かけて検証が進められてきた。
報告書では、1938~98年に同施設で死亡した1674人のうち、約7割に当たる1184人が解剖され、「一般の医療機関では考えられないほど高い」と指摘。確認された入所者本人らによる解剖願いは7件、遺族らによる承諾書は164件に過ぎず、入所者からの聞き取り調査でも承諾を迫られたとの証言があった。ハンセン病の治療法が確立され、医学的な必要性を失った50年以降も医師らが従来の方針を続けたとした。
報告書を受け、青木美憲園長は「重大な人権侵害だったと認識している。施設を預かる者として深くおわび申し上げる」と話した。(2022/11/24-20:35)
Human Rights Violations Confirmed at Leprosy Sanatorium
National Sanatorium Oku-Komyoen for leprosy patients in western Japan committed serious human rights violations by performing autopsies on many residents without consent, a team investigating the matter said Thursday.
"It cannot be considered that proper consent had been obtained. There were grave human rights violations," said a report released by the team including lawyers.
The probe began after autopsy records for 1,123 residents of the sanatorium in Setouchi, Okayama Prefecture, were found in 2020.
According to the report, 1,674 residents died in the facility between 1938 and 1998, and autopsies were performed on 1,184 of them, about 70 pct of the total.
The very high percentage is inconceivable at ordinary medical institutions, the report said.
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