「飲む中絶薬」月内申請へ 国内初、海外で使用多く―英企業
人工妊娠中絶できる飲み薬について、英製薬企業ラインファーマの日本法人が厚生労働省に対し、月内に承認申請する見通しだ。飲む中絶薬は多くの国で使われているが、日本ではまだ認められていない。順調に進めば1年程度で承認される見通しで、女性にとって負担が少なく、より安全な選択肢が加わることになる。
申請するのは、妊娠継続に必要な黄体ホルモンの働きを抑える「ミフェプリストン」と、子宮を収縮させる「ミソプロストール」。ラインファーマによると、フランスで1988年に承認され、現在は世界70カ国以上で使われている。
国内の治験では、妊娠9週までの妊婦120人に投与したところ、93%が24時間以内の中絶に成功した。6割弱で腹痛や嘔吐(おうと)などの症状が確認されたが、ほとんどが軽いもので、有効性と安全性が確認された。
日本の2020年の中絶件数は約14万5000件で、金属製の器具で子宮内からかき出す「掻爬(そうは)法」が中心。妊娠初期では健康保険が利かず10万~20万円がかかるほか、感染症などの合併症の発生率も高く、負担が大きい。
世界保健機関(WHO)は、薬による中絶を「安全かつ効果的であることが立証されている」と評価する一方、掻爬法を「安全性に劣る時代遅れの中絶法」と指摘。中絶薬など安全な方法への移行を強く推奨している。
一方、ラインファーマの中絶薬は2種類の薬を正しく服用することが不可欠。過去にはインターネットで中絶薬を個人輸入した女性の健康被害も起きている。国内での実用化に向けては、医療機関がどのように処方して正しい服用を担保するかなど、課題もありそうだ。(2021/12/05-07:16)
British Firm to Seek Approval for 1st Abortion Pills in Japan
The Japanese subsidiary of British pharmaceutical company Linepharma International Ltd. is expected to apply to Japan's health ministry this month for approval of its abortion pills.
The use of abortion pills has not been approved in Japan, although they are used in many countries.
The pills, which are expected to be approved in about a year if things go well, would give women in Japan a less burdensome and safer way to have an abortion.
Linepharma will seek approval for mifepristone, which blocks the effects of progesterone, a key hormone needed for continuing a pregnancy, and misoprostol, which causes the uterus to contract.
According to Linepharma, the two drugs were approved in France in 1988 and is now used in over 70 countries.
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