安倍前首相「不起訴不当」　「桜を見る会」で検審議決―東京地検が再捜査へ

　安倍晋三前首相の後援会が主催した「桜を見る会」前夜の夕食会収支をめぐる事件で、公選法違反や政治資金規正法違反の疑いで告発され、不起訴（嫌疑不十分）となった安倍前首相について、東京第１検察審査会は３０日までに、一部容疑で十分な捜査が尽くされていないとして「不起訴不当」と議決した。１５日付。
　議決書では「総理大臣だった者が、秘書がやったことだと言って関知しない姿勢は国民感情として納得できない。きちんと説明責任を果たすべきだ」と付言した。
　議決を受け、東京地検は再捜査した上で、改めて起訴するかどうか処分を決める。強制起訴の可能性がある「起訴相当」の議決と異なり、再び不起訴になった場合、再審査は行われない。
　不起訴不当とされたのは、夕食会参加者の飲食代金の不足分を安倍氏側が補填（ほてん）した行為が有権者への寄付に当たるとした公選法違反と、資金管理団体の会計責任者の選任や監督で、注意義務を怠ったという規正法違反の二つの容疑。
　このうち公選法違反容疑について、地検は参加者側に寄付を受けた認識があったことを示す証拠が得られなかったとしたが、「一部参加者の供述で判断の目安をつけるのは不十分」と指摘。安倍氏や秘書の供述だけでなく、メールなどの客観的資料も入手した上で、犯罪の認識があったかを認定すべきだとした。
　一方、夕食会費用の一部を後援会などの政治資金収支報告書に記載しなかった規正法違反容疑については「不起訴相当」と判断した。（2021/07/30-18:06）

Former Japanese Prime Minister Shinzo Abe is set to be reinvestigated by public prosecutors over a high-profile dinner party scandal, it was learned Friday.
   The Tokyo No. 1 Committee for the Inquest of Prosecution ruled that parts of prosecutors' decision not to indict Abe were unjust.
   The ruling, dated July 15, came after a group of citizens filed a claim against the non-indictment.
   Following the panel's ruling, the Tokyo District Public Prosecutors Office will reinvestigate the case and make a decision again on whether to charge Abe.
   The prosecutors' initial decision came in response to a criminal complaint arguing that the former prime minister may have violated the political funds control law, after his support group omitted dinner party costs totaling some 30 million yen from its funds reports over four years.