ＮＴＴ社長、議員働き掛け否定　東北新社は外資規制認識せず―参院予算委

　参院予算委員会は１５日午前、菅義偉首相と関係閣僚が出席して集中審議を行った。一連の総務省接待問題に関してＮＴＴの澤田純社長と放送関連会社「東北新社」の中島信也社長が参考人として出席。澤田氏は同省の政務３役や経験者との会食について「業務上の要請や、便宜を受けるなどという話はしていない」と働き掛けを否定した。
　一方、中島氏は放送法の外資規制違反に関し、２０１６年１０月の衛星放送事業の認定申請段階では認識していなかったと釈明、原因にチェック体制の不十分さを挙げた。１７年８月に担当社員が違反の恐れに気付き、同省に報告したと主張。しかし、同省の吉田博史情報流通行政局長は、当時の担当者が「報告を受けた覚えはない」と反論していることを明らかにした。
　接待問題について、澤田氏は「大きな迷惑と心配を掛けたことを心よりおわびする」、中島氏も「多大なる心配と迷惑を掛けたことを心よりおわびする」とそれぞれ陳謝した。自民党の大家敏志、進藤金日子両氏への答弁。
　首相は、東北新社による接待に自身の長男正剛氏が社員として同席していたことと、総務省幹部が国家公務員倫理規程違反で処分されたことに言及し、「おわびする」と謝罪。「関係閣僚に綱紀粛正の徹底を指示した」と述べた。立憲民主党の福山哲郎幹事長への答弁。福山氏は「行政がゆがめられたことを監視しなければいけない」と表明。真相究明のための特別委員会を国会に設置するよう要求した。
　ＮＴＴ幹部とは、自民党の野田聖子、高市早苗両氏が総務相在任中に会食していたことが判明している。澤田氏は与野党の国会議員らと「将来の社会や国際情勢全般について意見交換する場を設けている」と説明。総務省の政務３役や幹部職員に対する接待の常態化は否定した。首相や武田良太総務相との会食の有無に関しては「個別の会食については控える」と答えなかった。
　中島氏は、正剛氏が会食の場に同席したのは社の役員の指示によるものだとして「接待要員でいたのではない」と強調。部長ポストへの起用について、首相との親子関係は「影響していない」と語った。（2021/03/15-13:10）

Nippon Telegraph and Telephone Corp. President Jun Sawada, at a parliamentary meeting on Monday, denied the suspicion that the company has asked lawmakers in senior communications ministry posts for favors through wining and dining them.
   "There've been no conversations for making requests related to our business or receiving favors," Sawada told the House of Councillors' Budget Committee.
   Former communications ministers Seiko Noda and Sanae Takaichi, both lawmakers of the ruling Liberal Democratic Party, are among those who have had dinner with NTT officials.
   Over the wining and dining scandal, "we deeply apologize for causing so much anxiety and inconvenience," the NTT chief said.
   At the same Upper House committee meeting, Tohokushinsha Film Corp. President Shinya Nakajima offered a heartfelt apology for a similar scandal involving the satellite broadcast firm.