「批判」から「感謝・信頼」へ=東日本、能登で変化実感―阪神大震災派遣の自衛隊員
阪神大震災の被災地に派遣され、その後、東日本大震災や能登半島地震でも活動した現職の自衛隊員らは、自衛隊を取り巻く環境の変化を実感している。
「激しく揺れ、真っ暗に。何が起きたか分からなかった」と30年前を振り返るのは、陸上自衛隊第36普通科連隊の山本晃大1曹(53)。今と同じ伊丹駐屯地(兵庫県伊丹市)勤務だったが、捜索救助に出て、変わり果てた町並みに言葉を失った。入隊5年目で「これが自分の仕事か」と痛感したといい、「命じられた区域に向かう途中、助けを求める声全てに応じられないのがつらかった」と話す。
当時は自衛隊への風当たりも強く、「何しに来た」「なぜ自衛隊がここにいる」と不審がられることも。制服を嫌がられたり、理不尽な文句を言われたりもしたという。しかし、その後に派遣された東日本や能登の被災地では、状況が大きく変わっていた。「今は被災者に『やっと来てくれた』『安心した』と歓迎される。被災地で活動する自衛隊の姿に憧れて入隊した若者もいる」と顔をほころばせた。
当時入隊7年目だった中村勇1曹(53)は、陸自今津駐屯地(滋賀県高島市)からヘリコプターで神戸市に入った。不明者捜索で初めて遺体を目にし、「申し訳ないと思いながらも直視できず、毛布を掛けて作業した」と明かす。その経験が糧になったといい、「東日本ではより悲惨な現場でも冷静に行動できた。若手にも精神面でアドバイスしている」と説明する。
乏しかった救難救助用の機材も今では充実し、ボランティアや行政との連携も進むなど「活動しやすくなった」と語る。能登半島地震では被災者のニーズを聞き取って物資を配布するなど、きめ細かい支援に取り組んだ。
「渋滞で車両が立ち往生した阪神と違い、『頑張って』とトラックに道を譲ってもらえる。感謝の声と期待を裏切らないよう任務に取り組みたい」と気を引き締めた。
[時事通信社]
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