私立幼稚園連合会で不正流出　４億円超、前会長の刑事告訴検討

　全国の私立幼稚園が加盟する全日本私立幼稚園連合会（東京都千代田区）は９日、２０１９年度までの３年間で、約３億２０００万円の資金が不正流出したと明らかにした。２０年度分も合わせた流出額は４億円を超えるとみられるといい、連合会は香川敬・前会長（６９）の刑事告訴を検討している。前会長は私的流用を否定しているという。
　連合会によると、災害対策などの基金が理事会の承認なく取り崩されるなどし、２０年度も香川前会長が辞任するまでの間、８０００万円超の現金が口座から引き出された。関連団体の全日本私立幼稚園ＰＴＡ連合会でも、２０年度に４０００万円超の資金流出があったという。
　香川前会長は昨年１１月、巨額の使途不明金を出した責任を取って辞任し、１億５０００万円を弁済した。当時の事務局長は連合会の調査に「前会長の指示で入出金した」と説明。通帳が偽造されていたことが判明し、前会長が偽造に関与していたという。
　全日本私立幼稚園連合会は１９８４年設立で、全国の私立幼稚園団体で構成する任意団体。約７５００園が加盟している。
　香川前会長は、山口県防府市にある幼稚園を運営する学校法人の理事長で、１０年から連合会の会長を務めていた。山口県公安委員会の委員でもあったが、今月８日、「一身上の都合」で辞任した。（2021/03/09-20:17）

An association for private kindergartens in Japan has revealed that money totaling some 320 million yen became unaccounted for in the three years until fiscal 2019.
   According to the Tokyo-based association, the total damage is expected to exceed 400 million yen, including money that went missing in fiscal 2020.
   The association is considering lodging a criminal complaint against its former head, Kei Kagawa, 69.
   Kagawa has denied that he used the funds for private purposes.
   The association said Tuesday that disaster countermeasure funds and other money were withdrawn without the permission of its board of directors in the three years. In the year ending in March, over 80 million yen had been taken out of its bank accounts before Kagawa stepped down as its head.