東北、関東で１５５人負傷　常磐道土砂崩れ、死者確認されず―停電解消・福島沖地震

　福島県沖で発生した地震で、最大震度６強の揺れを観測した宮城、福島両県を含む東北、関東の９県で計１５５人が負傷したことが１４日、各県への取材で分かった。同日行われた関係閣僚会議で菅義偉首相は「福島県、宮城県などでけが人が多数いるが、亡くなった方はいないと報告を受けている」と述べた。
　福島県では、郡山市の女性（６７）が自宅で階段から転落し重傷となるなど、計８１人が負傷。県内約７０カ所に避難所を開設し、約２００人が一時身を寄せた。新地町では、町内全域に当たる約２８００世帯が一時断水。県の災害派遣要請に基づき、自衛隊が同町で支援活動を行い、解消に向かっている。
　宮城県でもけが人が５７人に上り、東松島市で女性（８４）がベッドから転落して太ももの骨を折る重傷を負った。山元町などで断水も起きている。
　山形、茨城、群馬、栃木、埼玉、千葉、神奈川各県でも負傷者が計１７人確認された。埼玉県東松山市で８０代女性が転倒し、右太ももを骨折したほか、千葉県君津市でも８０代女性が転倒して足の骨を折る重傷を負った。
　気象庁によると、宮城県の石巻港で１４日午前１時４４分、最大０．２メートルの津波が観測された。
　東京電力によると、福島第１原発５、６号機と福島第２原発１号機の使用済み燃料プールから水があふれたが、建屋内にとどまっており、冷却に影響はない。東北電力女川原発（宮城県）、日本原子力発電東海第２原発（茨城県）は停止中で、大きなトラブルの報告もないという。
　国土交通省によると、常磐自動車道の相馬インターチェンジ（ＩＣ、福島県相馬市）―新地ＩＣ（新地町）間で約７０メートルにわたり土砂崩れが起きた。同県二本松市のサーキット場でも土砂崩れが確認されたが、いずれも人的被害はない。
　地震の影響で発生した東電管内の停電は一時８０万戸を超えたが１４日朝までに復旧。東北電管内の停電もほぼ解消した。（2021/02/14-22:50）

A powerful earthquake that mainly hit northeastern Japan on Saturday night injured 17 people in Fukushima Prefecture, prefectural government officials said Sunday.
   Their injuries are not serious, according to the officials.
   A total of 47 evacuation centers were opened in the northeastern prefecture, and 52 people from 30 households took shelter at the facilities.
   There were reports of possible injuries also in neighboring Miyagi Prefecture, with police and fire authorities rushing to confirm the situation.
   Due to the earthquake, a massive landslide occurred on the Joban Expressway in Fukushima, on the section between the Soma Interchange in the city of Soma and the Shinchi Interchange in the town of Shinchi, according to the land ministry. No one was confirmed to have been injured in the landslide.