2021.11.02
スポーツ
【冬季五輪】「銀盤の記憶」男子フィギュアスケート (16/30)
2006年 トリノ冬季五輪 エフゲニー・プルシェンコ(ロシア) 「夢だった。すべてのタイトルを手に入れ、本当にうれしい」。プルシェンコは金メダルを首から外し、ロシア国旗が振られる客席に向けて高々と掲げた。 映画「ゴッドファーザー」のテーマ曲に乗り、まずは4―3―2回転の3連続ジャンプ。2度のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)も高さがあった。緊張からか3回転フリップが2回転になり、ステップにいつもの爆発的な勢いはなかったが、誰が一番かは明らかだった。 前回のソルトレークシティー五輪はSPで転んで出遅れ、ヤグディンとのロシア勢対決に敗れて銀メダル。その宿敵が引退後、ほぼ無敵と言える地位を築いている。 昨季、母国開催の世界選手権(モスクワ)に足の付け根の故障を押して出場したが、フリー演技の前に棄権。競技を続けるか悩みもしたが、「まだ続けるパワーがあると思ったから」とオフに手術。復帰後は、自分のいない世界選手権を制したランビールに3戦全勝して力の違いを見せ付けた。 世界選手権3勝に欧州選手権5勝。輝かしい経歴にただ1つ欠けていた五輪の金メダルを手に入れた。それでも、「今23歳で4年後の五輪でもまだ27歳。スケートにはいい年齢だ」と競技続行を宣言。「プルシェンコ王朝」はまだ続きそうだ。(写真は時事通信社)(2006年02月16日)