米関税「地域一帯に影響」=不安募る自動車城下町―群馬県太田市

トランプ米政権の高関税政策を受け、米国を主力市場とするSUBARUの「城下町」である群馬県太田市内の企業関係者が不安を募らせている。米政権は相互関税の上乗せ分の一時停止を発表したが、自動車への25%の関税は維持されたまま。部品メーカーや飲食店からは「回り回って地域一帯で影響が出てくる」「なぜこんなに苦しいことが続くのか」と悲痛な声が相次いだ。
「やっと業況が良くなってきたところだったのに」。自動車部品工場を営む50代の社長は、原材料の鉄やアルミ、電気代の高騰を受けて納入先との値上げ交渉に奔走してきた。一部で値上げが認められ、コロナ禍で借りた融資の返済を本格化していた矢先に米関税が直撃。大手取引先が減産や生産移転を決めれば「うちみたいな弱小企業は本当に終わってしまう」と力なく語った。
自動車部品のプレス加工を手掛ける池田製作所は、コロナ禍に伴う供給網の混乱を経験。「われわれの立場ではどうにもならない。自ら動いていきたい」(池田剛一社長)と5年前に半導体関連の事業を始めた。だが、米関税は半導体にも課された上、自動車関連の減収を補う事業に育てるまでの道のりは長い。「一度技術者が流出すると景気が回復してもなかなか戻せない」と雇用の安定確保につながる施策を政府に求めている。
影響は自動車産業のみにとどまらない。関東圏の製造業向けに人材を紹介する派遣会社の顧問(73)は「リーマン・ショックのときのように派遣切りが起きるかもしれない」と自社の業績への波及を懸念する。
SUBARUは電気自動車(EV)の生産強化に向け、今夏から同市の矢島工場の一部生産ラインを半年間停止し、工事を行う予定。小料理店を営む店主(52)は「米関税も重なって関連企業の倒産が出てくるんじゃないか」という客の会話が気がかりだという。コロナ融資の返済や物価高で支出がかさみ、手元に残るお金は月15万円程度。子ども2人の教育費も捻出しなければならず、「国も減税などで身を削るべきだ」と語気を強めた。
[時事通信社]
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