2025-03-28 21:32国際

ネパールで王制復活求め大規模デモ=共和制支持派も街頭に

 【ニューデリー時事】ネパールの首都カトマンズで28日、王制復活を求める多数の市民がデモに繰り出した。一部が警官隊と衝突したほか、家屋に放火するなど暴徒化したため、当局は夜間外出禁止令を出した。王党派に対抗するため、現在の共和制を擁護する政党の支持者らも街頭に出て気勢を上げた。
 ネパールは2008年、王制を廃止して連邦共和制に移行。ギャネンドラ国王は退位した。しかし、首相経験者らによる国民生活を置き去りにした政争が続いたことで、近年は王制復活論が勢いを増している。
 王党派のデモに加わった農家のディーパック・ギリさん(42)は「国の守護者」のギャネンドラ元国王なしに「誰が国を運営できるのか」と強調。「政党は汚職に手を染め、私たちの子供の職を生み出していない。国は破局に向かっている」と嘆いた。ギリさんは世俗国家からヒンズー教国への回帰も訴えている。
 一方、共和制擁護派の統一共産党(UML)を率いるオリ首相は、デモに先立ち声明を出し、王制復活の可能性はないと表明。元国王に、権力を握りたければ政党を結成するよう呼び掛けた。 
[時事通信社]

最新動画

最新ニュース

写真特集