那須雪崩事故8年で追悼式=慰霊碑に「誓い」の文―栃木

栃木県那須町で2017年3月、登山講習会中に発生した雪崩で県立大田原高校の生徒ら8人が死亡した事故から8年となるのを前に、同校で22日、追悼式が開かれた。
式には、遺族や県教育委員会、県高校体育連盟の関係者ら約50人が参列。8人の名前が刻まれた慰霊碑に向かって黙とうし、遺族が追悼の辞を述べた。
事故で佐藤宏祐さん=当時(16)=を亡くした父政充さん(55)は「息子が無言で帰宅したどうしようもないむなしさをきょうも突き付けられた。遺族の悲しみは8年たった今も変わらない」と述べた。
式に合わせ、事故の経緯や原因を振り返り、「風化を防ぎ、安全で安心な学校づくりの誓いとして建立する」などと記した板が慰霊碑の裏面に新たに取り付けられた。政充さんは「痛み、悲しみ、願いが伝わる碑文になった」と語った。
雪崩は17年3月27日朝、茶臼岳山麓のスキー場付近で発生。深雪歩行訓練をしていた大田原高山岳部の生徒7人と男性教諭1人が死亡、多数のけが人が出た。
宇都宮地裁は昨年5月、雪崩の予見可能性を認め、業務上過失致死傷罪に問われた元引率教諭ら3人にいずれも禁錮2年の実刑を言い渡した。3人は控訴している。
判決後初めての追悼式に、犠牲となった奥公輝さん=同(16)=の父勝さん(53)は「昨年よりはすっきりした気持ちで追悼できた」と話した。
[時事通信社]

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