日中韓、年内首脳会談へ調整=22日、外相協議
日中韓3カ国の外相が22日、東京都内で会談する。3カ国外相会談は2023年11月の韓国・釜山以来。貿易、投資、環境、保健などの分野で協力を継続し、人的交流を拡大することを確認。早ければ年内の3カ国首脳会談を目指し、調整を加速させることを申し合わせる見通しだ。
岩屋毅外相が議長を務め、中国の王毅共産党政治局員兼外相、韓国の趙兌烈外相が出席。3カ国会談に合わせ、日中と日韓の外相会談もそれぞれ行う。中国との間では両外相が議長を務める「ハイレベル経済対話」を約6年ぶりに開く。
これに先立ち、石破茂首相は21日夜、中韓両国の外相と首相官邸で会談し、「両国のいずれも極めて重要な隣国だ。諸懸案も含めて対話し、未来志向の協力関係を築きたい」と表明。3カ国首脳会談の実現に関し、「中韓両国から首脳を迎えることを楽しみにしている」と伝えた。岩屋氏は両外相との夕食会を催した。
22日の日中韓外相会談では3カ国の経済連携に加え、ロシアとの軍事協力を深める北朝鮮への対応を協議する。保護主義的な色彩を強めるトランプ米政権の経済政策も話題に上るとみられる。
3カ国首脳会談は毎年1回が原則だが、関係悪化のあおりで開かれないことも多く、昨年5月のソウルでの会談は約4年半ぶりだった。3カ国外相は次回会合の早期開催を確認する見込みだが、政局が混乱する韓国国内の情勢も見極めながら、具体的な開催時期を探ることになりそうだ。
日中外相会談とハイレベル経済対話では「戦略的互恵関係」の推進を確認する。両国の懸案である東シナ海情勢、中国での邦人拘束、日本産水産物の輸入再開などで歩み寄れるかが焦点だ。日韓外相会談では国交正常化60年を迎えた日韓関係の一層の改善を確認する方向だ。
◇日中韓を巡る最近の動き
【2024年】
5月 日中韓首脳がソウルで4年半ぶりに会談
10月 石破茂首相就任
石破氏が李強中国首相、尹錫悦韓国大統領とラオスで会談
11月 トランプ氏が米大統領選で勝利
石破氏が習近平中国国家主席、尹氏とペルーで会談
12月 尹氏が「非常戒厳」宣言、弾劾訴追受ける
岩屋毅外相が訪中
【25年】
1月 岩屋氏が訪韓
尹氏逮捕
トランプ米大統領就任
3月 尹氏釈放
日中韓外相が東京で会談
[時事通信社]
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