2025-03-17 04:41スポーツ

日本企業、カブス投手陣支援=動作解析の「ネクストベース」―米大リーグ

米アリゾナ州のカブスのキャンプ地を訪れたネクストベースの中尾信一社長(後列右から2人目)。前列左から2人目は神事努・国学院大准教授=2024年2月(ネクストベース提供)
米アリゾナ州のカブスのキャンプ地を訪れたネクストベースの中尾信一社長(後列右から2人目)。前列左から2人目は神事努・国学院大准教授=2024年2月(ネクストベース提供)

 東京ドームでの開幕シリーズのため来日した米大リーグのカブスは、野球の動作解析やデータ分析を得意とする日本の「ネクストベース」(本社東京都)と投球動作分析(バイオメカニクス)のサポート契約を結んでいる。2~3月に中尾信一社長らがアリゾナ州のキャンプ地を訪れ、マイナーの投手およそ20人の投球フォームを解析した。
 上級主席研究員を務める神事努・国学院大准教授によれば、バイオメカニクスについては米国が障害予防に重点を置いて研究してきたのに対し、日本は投球動作そのもののメカニズムに焦点を当ててきた。カブスが求めるのはけが防止で、中尾社長は「日本人の投球フォームにもヒントがあるのではないかと考えている」と話す。
 一般的に日本の投手は、上体だけに頼らず下半身の力も生かした投球を目指す。全身を使うことができれば、理論上は肘など体の一部に負担が集中することを避けられる。日本で実績のあるネクストベースが持つ知見やデータはメジャー球団にとって魅力がある。
 同社の動作解析は、指の爪や関節、手首など体の48カ所に反射材を張り、14台のカメラで撮影する。今回のキャンプでは力学に基づいた分析を経て、コーチ陣にフィードバックした。対象となったのはマイナーの選手で、今後の活用が期待される。
 神事准教授は「けがを少なくして、パフォーマンスが上がってくれたらいい。僕らは指導する立場ではないが、カブスはデータを活用するコーチ、スタッフが充実している。うまく使ってくれるのでは」と期待を寄せている。 
[時事通信社]

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