中古ブランド品、争奪戦=百貨店とタッグ、鑑定にAI

中古ブランド品の大手買い取り業者が、仕入れルートの開拓に力を入れている。歴史的な円安を背景に、訪日客による購入が急増。品ぞろえを充実させようと、大手百貨店などとタッグを組む動きが広がる。持ち込まれた品物の鑑定に人工知能(AI)も導入され始めた。
中古品市場の動向を伝える専門紙「リユース経済新聞」によると、リユース品市場の規模は年々拡大し、2023年は3兆1227億円と前年比7.8%増えた。このうち、ブランド品は3656億円と19.4%の大幅増を記録。24年も「勢いは続いたようだ」(担当者)という。
商品を確保するため、買い取り大手のコメ兵(名古屋市)は大丸などJ・フロントリテイリング傘下の百貨店に今夏以降、買い取り専門店を出店。ショッピングのついでに持ち込まれたブランド品を仕入れるのが狙いだ。富裕層が多い百貨店の「外商」顧客の自宅に眠っている高級バッグなどの買い付けも検討している。
大黒屋(東京)は昨年、フリーマーケットアプリ大手のメルカリと業務提携し、メルカリに出品されたブランド品の買い取りを始めた。店舗に品物を持ち込まなくても、通信アプリ「LINE」上でやりとりが完結するサービスも開始した。
買い取り数を増やすには正規品かどうかを見極める作業の効率化が欠かせないが、鑑定士を育てるには時間がかかる。コメ兵はマイクロスコープを商品に当ててAIに画像を読み込ませれば、わずか10秒ほどで判定する仕組みを導入。精度は99%で、鑑定士が真贋(しんがん)を判断する手間を大幅に省けるという。
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