炎に包まれ落下、川面に残骸=生存祈る声も、救出絶望か―米航空機事故
【アーリントン(米バージニア州)時事】トランプ米新政権が発足したばかりの首都ワシントンの上空で、民間機と米軍ヘリが衝突する惨事が起きた。機体は炎に包まれてポトマック川に墜落。付近の住民からは生存を祈る声が上がったが、機体の一部とみられる残骸が見つかり、乗客乗員らの生存は絶望的な状況だ。
冷え込みが厳しい29日夜、ワシントンと南部バージニア州を隔てるポトマック川上空で事故は起きた。米メディアが伝えた事故の映像では、衝突した民間機と軍用ヘリが爆発してオレンジ色の炎に包まれ、機体などの残骸が落下していく様子が捉えられていた。
現場はバージニア州アーリントンにあるレーガン空港付近。周辺の川岸には無数の警察車両などが駆け付け、上空では複数のヘリコプターが川面をライトで照らし、生存者の捜索に当たった。川の一部には氷が張り、水温も0度近くに下がったという。
空港付近に住むボニー・ミラーさん(63)は事故の一報を聞き付け、現場近くの川岸まで様子を見に来た。1982年にも民間機がポトマック川に墜落する事故があったことに触れた上で「本当に残念だ。少しでも多くの人が助かることを祈っている」と不安そうな声で語った。
だが、夜が明けた30日早朝、米メディアは墜落した機体の一部とみられる残骸がポトマック川の水面から突き出す映像を伝えた。米当局者は苦渋に満ちた表情で「救出から(遺体)回収作業へと切り替えた。現時点で生存者はいないと判断している」と語った。
[時事通信社]
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