自閉症の記者がつくる雑誌、店頭販売始まる 仏
【パリAFP=時事】自閉症スペクトラム症(ASD)のジャーナリストがつくるフランスの雑誌「パポタン」の店頭販売が今月上旬、始まった。同誌が店頭で販売されるのは初めて。すでにテレビなどで話題となっており、認知度がさらに高まりそうだ。≪写真は資料写真≫
1990年にパリ郊外の病院で創刊されたパポタンは年1回の発行。編集チームは、ASDのジャーナリスト約40人で構成されており、著名人やセレブリティーのインタビューや文化コンテンツなどが掲載される。
同誌を所有する雑誌出版最大手プリズマ・メディアは、これまでウェブサイトで通販されるだけだった紙版が、今月8日からフランス国内の約3000の小売店やキオスクで販売されると発表。発行部数はこれまでの3倍に当たる1万部に増やした。
パポタンの定価は10ユーロ(約1600円)。プリズマ・メディアは、店頭でも定価で販売できるよう、「さまざまなパートナーに掛け合った」と明かした。
2025年号の表紙は、昨年7月のパリ五輪の開会式に全身を青く塗ってほぼ全裸で登場し、世界の注目を集めたフランスのミュージシャン、フィリップ・カトリーヌさんが飾る。カトリーヌさんの登場シーンはキリストの「最後の晩餐」をほうふつとさせるとして物議を醸した。
パポタンの著名人インタビューはテレビ番組でも放送されている。インタビュー対象者のそれまで知られていなかった内面が明らかになる感動的なエピソードも多く、人気を博している。
これまでに、エマニュエル・マクロン大統領、ラグビーのスター選手、アントワーヌ・デュポンさん、宇宙飛行士のトマ・ペスケさんらがインタビューを受けた。
パポタンは2023年に行われたマクロン氏とのインタビューで、通っていた学校の教師だったブリジット氏と結婚していることに言及し、「模範を示して、教師と結婚すべきではなかったのでは」などの歯に衣着せぬ質問を浴びせた。
マクロン氏はASDの子どもへの支援拡充を政策の優先事項としてきた。
国連子どもの権利委員会は2023年の報告書で、子どもの権利は過去6年間で改善が見られたが、「依然として、障害のある子どもたち、特にASDの子どもが施設に収容されている」と懸念を示している。【翻訳編集AFPBBNews】
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