被害女性「休職追い込まれ孤独」=支援の署名5万筆超え―元検事正性的暴行事件
部下の女性に性的暴行を加えたとして、元大阪地検検事正の北川健太郎被告(65)が準強制性交罪に問われた事件で、被害女性を支援するオンライン署名が、25日までに5万筆を超えた。被害者の女性検事は時事通信の取材に対し、「大きな支援の輪になって感謝しています」と話す一方、2次被害により「休職に追い込まれ孤独だった」と心境を明かした。
12日に始まったオンライン署名は、北川被告本人や、被害者を中傷したなどとして告訴・告発された副検事の厳正な捜査と処罰を求める内容。25日午前10時時点で5万8627筆が集まった。大阪高検などに27日に提出する予定だ。
女性検事は2018年、当時検事正だった北川被告から性的暴行を受けたとされる。女性検事によると、被害後もつらい気持ちと闘いながら職場に通ったものの、病院で心的外傷後ストレス障害(PTSD)と診断されて休職。昨年7月に北川被告が起訴されてからは出勤に向けたリハビリを始め、いったんは職場に復帰したが、同9月に副検事が職場で中傷していたことを知って、再び休職を余儀なくされた。
以前から女性検事を知り、今回署名を呼び掛けた元警察官の男性は「子育てしながら泊まり込みで働いていた。こんなに被害者を救う検察官はいない」と強調。女性検事から「出勤する際に涙が止まらない」と直接聞き、「いても立ってもいられなくなった」と呼び掛けた理由を話す。
取材に対し女性検事は「事件は検察組織内で起きたが、捜査できるのは検察庁だけだ。厳正に捜査し、いかなる性犯罪も許さないと示してほしい」と訴えた。
北川被告は昨年10月の初公判で起訴内容を認めて謝罪したものの、弁護人はその後、無罪主張に転じる方針を明らかにしている。
署名はhttps://www.change.org/kenji_supportで受け付けている。
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