「黄金時代の始まり」宣言=トランプ米大統領が就任―国境・エネルギー、180度転換
【ワシントン時事】米共和党のドナルド・トランプ氏(78)は20日、第47代大統領に就任し、4年ぶりの返り咲きを果たした。就任演説で「米国第一」を誓い、成長国家としての「黄金時代が始まる」と宣言。不法移民問題やエネルギー生産を巡って「国家非常事態」を発令し、バイデン政権の政策を180度転換させる考えを示した。
厳しい寒さのため、就任式の会場は連邦議会議事堂の外から40年ぶりに屋内に変更された。宣誓式は議事堂内のロタンダ(円形大広間)で執り行われ、ジョー・バイデン氏ら歴代大統領や経済界トップ、外国の賓客が出席。新副大統領には、前上院議員のJ・D・バンス氏(40)が就いた。
トランプ氏は演説で「米国の衰退の終わり」と「変化の波」を強調。不法移民の大規模送還を最優先に掲げ、南部国境に軍を派遣すると明言した。
経済政策については、「記録的なインフレを打破する」と公約。エネルギー価格を引き下げ「再び豊かな国になる」ため、化石燃料の増産や環境規制の緩和を進める方針を示した。外国に関税を課すとも語った。
対外面では「ピースメーカー(平和の推進者)になりたい」と述べる一方、「米国は成長国家となり、領土を拡大する」と表明。パナマ運河の支配や米宇宙飛行士の火星着陸を目指すと明らかにした。
また、「能力主義の社会を築き、政府方針として性別は男と女の二つだけとする」という考えを打ち出し、多様性を重視して性的・人種的少数派(マイノリティー)に配慮した前政権の政策を後退させた。
[時事通信社]
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